投資信託かETFか?

ETFは上場投資信託のことで、厳密にはETFも投資信託の仲間となります。通常の投資信託をここでは「公募投資信託」としますが、公募投資信託とETFの大きな違いは取引所に上場しているかどうかです。

公募投資信託は上場していません。金融機関の店頭やネット上で商品を選んで購入するイメージです。一方ETFは上場しているため、株式のように証券取引所の取引時間中はリアルタイムで価格が動いており、その時の値段を見ながら発注を出すことになります。

また「分配金のあるETF」とありますが、分配金は公募投資信託もETFも基本的には同じ仕組みです。よって「ETFだから分配金がある」というわけではなく、公募投資信託も積極的に分配金を支払うものがたくさんあります。

コスト面や手数料など、公募投資信託とETFではそれぞれ違いがありますが、現在の預金に置いている状況から脱して長期で運用するという観点から考えると、どちらもそれほど大きな差はありません。つまり特にETFにこだわる必要はないと思います。むしろ、どのような投資をしたいか?という点に重きを置いてください。

例えば、「これから成長著しいアジアに投資をしたい」ということであればアジア株ファンドを選ぶ。「アメリカの株価指数であるS&P500に興味がある」ということであれば、S&P500に連動するETFを候補の1つにする。こういった具合です。

なお「つみたて投資枠」の対象となる商品は、金融庁が定めた一定の条件を満たす「投資信託」と「ETF」ですが、「ETF(上場株式投資信託)」は8本のみ(2024年8月23日時点)で、それ以外は公募投資信託です。よってつみたて投資枠で積立を行う場合、ETFにこだわらない方が選択肢は広がりそうです。もしくは「成長投資枠」で積立を行うというのも1つです。つみたて投資枠と併用できる成長投資枠で積立投資を行うことができます。成長投資枠であれば多くのETFが対象となっています。

(広告の後にも続きます)

まずは実践を


ソファーでスマホを持つ女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/lielos」

しばらく使う予定のない100万円を投資に回すという発想はとても良いと思います。ただ、思いついたものの、なかなか行動に移せないという人も少なくありません。

今回の結論は、「一括投資と積立投資のハイブリッド。商品は特にETFにこだわることなく選択肢を広げる方が良い。」とお伝えしましたが、これも1つの考え方に過ぎません。同じ商品に100万円を一度にまとめて投資した場合と数回に分けた場合、当初は成果に大きな違いが生じると思います。しかし10年、15年後となれば、それほど大きな違いにはなりにくいでしょう。

いつ?いくら?何に?と選択肢は無数にあるため、迷っていると時間がどんどん過ぎていきます。長期投資は時間を味方につけるのです。行動しなければ味方になってもらえません。「いつまでに投資を始める」と期限を決めて決断し、ぜひ行動に移してくださいね。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。