納めた所得税が戻ってくる手続き(還付申告)
国税還付金通知書
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故人が納めていた税金(源泉徴収など)が戻ってくることもあります。このことを「還付申告」といいます。所得税が戻ってくるケースを見てみましょう。
所得税が戻ってくるケース
その年に高額の医療費がかかった場合
医療費控除が可能です。又は、その医療費を亡くなった方と生計を一にする方がまとめて還付申告をすると税金が戻ってくる場合があります。
年末調整を行わず、税金を納め過ぎている場合
給与から所得税が天引きされており、源泉徴収税額を納め過ぎている場合、税金が戻ってくる場合があります。
不動産収入や事業収入があり、予定納税をしている場合
故人が前年の申告において一定額以上の所得税の納付があった場合、亡くなった年にその年分の所得税の一部を前払いする必要があります。これを「予定納税」といいます。この納税額を払い過ぎている場合、申告により戻ってくることがあります。
条件により、こんな控除も受けられます
亡くなった方の合計所得金額が死亡時点で48万円以下の場合は、その亡くなった年の分まで配偶者控除又は扶養控除を受けることが可能です
夫婦で夫を亡くした方は、一定の要件を満たせばその年から「寡婦控除」を受けることにより税金が抑制されることもあります(参考:国税庁HP)
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所得税と住民税の仕組み
給与明細の所得税と住民税の欄
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所得税と住民税は、1月1日から12月31日の所得に応じて納付する税金ですが
・所得税はその年の所得に課税される「現年課税」
・住民税は前年度の所得に対して翌年に課税される「翌年度課税」
という違いがあります。令和6年分を例に、所得税・住民税の仕組みを理解しておきましょう。
【会社員の場合】
・所得税:令和6年12月の年末調整で、令和6年分の所得税が確定し納税も完了
・住民税:令和6年分の住民税は、令和7年6月から令和8年5月の1年間に支給される給与から毎月差し引かれる形で納付(特別徴収)
【事業者の場合】
・所得税:令和6年分の所得を令和7年3月15日までに申告を行い、納付(口座振替を除く)も完了
・住民税:令和6年分を令和7年3月15日までに申告する。所得税の確定申告をしている場合は、所得税の確定申告書を提出すると住民税も同時に申告となるので個別に住民税の申告は不要。令和7年6月、8月、12月、令和8年1月の4回に分割して自分で納付する(普通徴収)