2024年1月のNISA制度改正を機に資産形成を始める人が増えました。同時に、NISAの利用を促す情報を鵜呑みにし、身の丈以上のお金を投じて「NISA貧乏」に陥る人も増えています。

本記事では「NISA貧乏」に陥りやすい人の特徴を紹介し、資産形成を始める前に押さえておくべきポイント、毎月の積立額の考え方について解説します。

NISA貧乏とは

「NISA貧乏」とはNISAでの積立投資に収入や貯蓄の多くをつぎ込み、生活が圧迫される状態です。新NISA制度が始まってから、インターネットやSNSでは下記のような情報がよく見られるようになりました。

・できるだけ早く投資枠を使い切ったほうがよい
・「全力投資」(NISAには全力で投資すべき)

新NISAの投資限度額は1800万円、年間の投資限度額が360万円ですから、毎月30万円を投じれば最速の5年で枠を使い切れる計算です。

高収入の人や、多くの余裕資金を持っている人なら無理なく実現できるでしょう。「投資は時間を味方につける」とも言われるとおり、確かに早く・多く始めるほど後々リターンを得やすくなります。

しかし大前提として、投資は余裕の範囲内で行うものです。目的も曖昧なまま無茶な積み立てをすれば、NISA貧乏に陥るだけでなく資産形成そのものに失敗するおそれもあります。

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NISA貧乏に陥りやすい人の特徴


コミニュケーションに悩む
【画像出典元】「stock.adobe.com/Iuliia」

1. 流されやすい人

はじめに、インターネットやSNSの情報や周囲の人の発言に流されやすい人が挙げられます。NISA制度の改正を機に、NISAや投資に関する情報が非常に増えました。

例えば「クレカ積立ならポイントも貯まってお得」と見聞きして、なかばポイント目当てで生活資金までクレカ積立につぎ込む人もみられます。ポイントが貯まるので何となく資産が増えていると錯覚しがちですが、ポイントを貯めるにはそれだけのお金を使っていることにほかなりません。クレジットカード払いのためお金を使いすぎている感覚も薄く、家計は火の車に陥ってしまいます。

2. 投資の鉄則を知らない人

「生活資金には手をつけない」「積み立ては途中でやめない」

この2つは投資の鉄則です。
少しの貯金もないまま生活資金で投資を行うと、本当に入り用になった時にお金が足りず、積み立ててきた資産を売却せざるを得なくなるかもしれません。もし売却する時に相場が下がっていたら、増やすつもりだった資産は減っている上、その資産も使ってしまうため本当に蓄えが無くなってしまいます。まさに「NISA貧乏」といえるでしょう。