自民党総裁選(2024年9月27日投開票)に出馬した9候補が9月19日、東京・秋葉原で街頭演説会に臨んだ。小泉進次郎元環境相(43)は「愛国心」というキーワードをからめながら選択的夫婦別姓について語った。小泉氏の演説中には怒号が飛びかう場面もあった。

「人生の選択を増やしたいと思うのは、私は愛国心があるからです」

今回の総裁選では、選択的夫婦別姓も争点のひとつだ。導入に対しては、賛成・反対の意見が真っ向から対立しており、SNS上でも議論が展開されている。

小泉氏は同制度の導入を掲げており、次のように訴えた。

「次の時代に間に合うように、より自分らしい生き方ができる人生の選択肢を増やしていきたい。選択的夫婦別姓の導入を訴えています。私は今のままの同姓を続けたいという方はそのまま続けていただく選択肢を守ります。一方で少数であったとしても別姓を選びたいという選択肢を新たに設けます。これが今のまま行きたいという方の権利を本当に奪うのでしょうか」

続けて、「私は国民の皆さんのもとで議論を進めたい。今まで日本は『愛国心』という言葉を使うといろんな意味を持ちかねないということで、『愛国心』という言葉を避けてきた印象があります。もうそこは気にする時代じゃないんじゃないでしょうか」と呼びかけた。その上で、次のように続けた。

「私がより一人ひとりの人生の選択を増やしたいと思うのは、私は愛国心があるからです。私は生まれ育った街に、地域に支えられ、そのおかげで自分が今あると思っています。家族の支えは第一だけれど地域の支えがなかったら今の私はありません。そして政治家になってから東日本大震災が起きて、福島、東北、全国の被災地を歩み続けたのは、日本の各地のことを自分の地元のように思い、日本のどこかが被災地になるということは自分の体が削がれるような、もがれるような思いを持っている愛国心の現れです」

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「冗談じゃねえよ」「夫婦別姓廃止しろ」

最後に小泉氏は「本当に国を思う気持ちがあれば、誰かが望むことを尊重しようじゃありませんか。誰かの権利を決して奪うわけじゃないんだから。そういう新しい、誰もが自分が望む生き方ができる時代に、新しい時代に扉を開けていく。新しい寛容な包容力のある保守政党、自民党に立て直したい」と訴えた。

小泉氏の演説が始まると、自らを「右派」と名乗る男性が「夫婦別姓反対しろ」「夫婦別姓反対だ」「夫婦別姓廃止しろ」「日教組をやっつけてほしい」「冗談じゃねえよ」などと叫び始め、演説中も大声を張り上げていた。10回近く叫んだあたりで、スタッフとみられる男性と女性が制止に入り、警察官の男性も近くにスタンバイしていた。