【屋上のある家のメリット・デメリット12選】後悔しない建て方のポイントを解説

屋上のある家のデメリット

 

雨水が溜まりやすい

屋上をつくる場合、屋根は平らな陸屋根にする必要があります。陸屋根は雨や雪など水が溜まりやすい点が大きなデメリットです。雨水が室内に浸入すると雨漏りの原因となり、湿気によって家全体の劣化が進みます。

そのため屋上から雨水が浸入しないよう、防水工事が必須です。これから屋上のある家を建てるなら、台風や近年のゲリラ豪雨にも耐えられるよう、防水工事を徹底する必要があります。

 

下の階が暑くなる

陸屋根は、切妻屋根と比べると屋根裏スペースを十分にとれないため、階下の居室は屋上に当たる直射日光の影響を受けやすくなります。

さらに断熱対策が甘いと夏場は特に居室の室温が上昇し、冷房効率も悪くなるでしょう。断熱対策や遮熱対策を万全に行うとともに、屋上緑化によって建物の温度上昇を防ぐなど、屋上のある家ならではの工夫が必要です。

 

こまめな掃除が必要

屋上のある家は、屋根から雨水を集めて地面に流す樋(とい)や配管に落ち葉や砂ぼこりなどが詰まると、雨水がうまく排水されず、溜まりやすくなります。樋や配管の詰まりをそのままにすると雨の日に困るだけではなく、湿気によるカビやコケの発生や、家屋そのものの劣化につながります。

排水溝周りは普段からこまめに掃除し、定期的に床や壁面などをデッキブラシで掃除するなど、日常的なお手入れが必要です。

 

建築コストが高い

屋上のある家は建築コストが一般の住宅よりも高くなるといわれています。屋上をつくる際に屋上に出るための階段やペントハウスを設置するほか、落下防止対策のための手すりやフェンスの設置も必要であるためです。

また屋上の目的や設置するものによっては、家全体にかかる荷重が大きくなるため、より強く丈夫な構造にするための部材や設計が必要となります。ほかにも雨水が溜まりやすいため、構造に適した防水加工を施すコストもかかるでしょう。

これらの理由から屋上のある家の建築コストは、一般的な住宅より高くなる傾向があります。

 

点検やメンテナンスのコストや手間がかかる

屋上をつくるときは防水工事が必須になりますが、そのほか定期的な点検やメンテナンスも必要です。一般的に、屋上補修の目安は10数年に一度とされています。

定期点検のほか、想定外の大雨や災害により、補修が必要になる可能性もあります。落下防止のための手すりやフェンスも、日光や風雨にさらされた状態では劣化が進むため、こまめな点検が必要です。

 

近所からクレームがくることも

屋上のある家では、たとえばバーベキューなどのレジャーを楽しんだ場合に煙が隣家に届き、クレームがくるというケースも考えられます。屋上に高い壁を設置するなどといった対策が必要でしょう。

 

屋上をだんだん使わなくなった

せっかくコストをかけて屋上をつくっても、使ったのは最初だけで、だんだん使わなくなったという人もいます。使わなくなった理由のうち、代表的なものをいくつかご紹介します。

1つ目は、屋上の使用目的や活用イメージを明確にできていなかったということです。

2つ目は、屋上への動線の計画が甘かったということ。洗濯機から屋上までの動線が悪く、年々洗濯物を干すのがつらくなったという人もいます。また、キッチンと屋上が離れており、BBQやパーティーの準備や片づけが面倒になったというケースもあります。

3つ目は、思ったよりもプライバシーが確保できなくなったということ。屋上のある家を建てた後に、さらに高い建物が近隣に建てられる可能性もあります。

 

(広告の後にも続きます)

屋上のある家はどんな家でも建てられる?

開放感を味わえる屋上のある家ですが、どんな家でも建てられるのでしょうか。実は屋上のある家を建てるにはいくつかの規制もあります。確認していきましょう。

 

第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域は高さ制限が

戸建て住宅を中心とした「第一種低層住居専用地域」と「第二種低層住居専用地域」に屋上のある家を建てる場合、高さは10~12mまでという制限があります。

屋上のある家を建てる際はどの地域に建てるのかも考えながら家づくりを進めましょう。