「皆が笑顔で楽しい旅だねと言えるのが1番です」

青山住職は、撮影について「個人で楽しむ分には構わない」と考えており、カメラマンの同伴自体を禁止しているわけではない。例えばこれまで日本のカメラマンはブライダルフォトなどの撮影にあたり自ら許諾を求めてくるケースも多く、理解を示したうえ「占領さえしなければ止めはしなかった」。

先述したような着物姿の観光客に同伴するカメラマンに関しては、檀家やお参りの人たちが通過する時は撮影を中止するよう求めても、基本的に無視されていたと振り返る。

今回の出来事に限らず、東山では普段から食べ歩きのゴミなどが放置されるなど、マナーの悪化が問題になっているとも危機感を表す。青山住職は国にかかわらず相手を尊重する心や、自分なりに文化を理解しようとする必要を説いている。

「オーバーツーリズムを否定しているわけでも、インバウンドを拒否しているわけでもなく、特定の国や人種、誰かを攻撃する意図は全くありません。来る人も受け入れる人も見る人も、皆が笑顔で楽しい旅だねと言えるのが1番です。

皆が笑顔になる道を模索したいですが、そんなことを言ってるわけにもいかないので守るべきところは守らなくてはなと…。来る人が節度を守って、マナーを守ってくれればいいかなと思います」