回転寿司店の迷惑客にウンザリするアルバイト店員たち「皿を持ち帰る客も」――仰天ニュース傑作選

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年2月11日 記事は取材時の状況) *  *  *

 大手回転寿司チェーンで利用客による迷惑行為が相次ぎ発覚。SNS上では、醤油のボトルなどを舐め回したり、レーンを流れる寿司に唾液をつけたりする動画が拡散された。


「スシロー」を展開する株式会社あきんどスシローは迷惑行為に対して、「刑事、民事の両面から厳正に対処する」と発表している。

 このような迷惑行為は今に始まったことではない。今回は、大手回転寿司チェーンでアルバイト経験のある2人に話を聞いた。

◆新人いじめをする迷惑な常連客

 嶋村浩二さん(仮名・30代)は、アルバイトを始めてまだ日の浅い頃、いかにも悪そうな雰囲気の男性客Aに困ったという。

「来店後、早速カウンター席についたAは、大声で『おい!』と私を呼びつけました。『エビとマグロ』と唐突に注文するんです。どうやら私に『要求した寿司を取れ』という指示だったようなんです」

 通常は、カウンター席では客自身がレーンにある寿司を取る。そのため、嶋村さんは「はい?」と聞き返した。

「Aは、『お前、ここに勤めてどれくらい? え? 客に対する作法ってヤツ習ってんの?』などと説教が始まったんです。私は、『少々お待ちください』と強引に話を切ってバックヤードに駆け込みました」

 嶋村さんはどう対応していいのかわからず、勤続年数の長い先輩スタッフに頼ることにした。すると、先輩は……。

「面倒くさそうな顔で『またアイツかよ』と吐き捨てました」

 どうやら、Aは常連の迷惑客だったようだ。

◆店長には悪絡みしない。スタッフによって態度を凶変

「先輩スタッフが『困ります、迷惑な行為はおやめください』と言うと、何も食べずに不貞腐れたような顔で店を後にしました」

 そして、1週間後にまたAは来店した。

「その時は、同じアルバイトの女性スタッフが対応したのですが、私と同じように説教を延々と受けていました」

 Aは、無理な要求をすることで新人スタッフが戸惑うことを楽しんでいたのではないか、と嶋村さんは振り返る。

「スタッフへの悪がらみは、来店する度に行っていましたが、ベテランスタッフや店長クラスが対応したときには、何も言わずに寿司を食べるといった態度でした」

◆警察に相談したうえで“入店禁止通告”


「スタッフが新人だとわかった途端、嫌な絡み方をしてきたのですが、特に女性の場合には強気な態度に出る傾向があったと思います」

 最終的に、当時のマネージャーがAの来店と同時に警察に連絡をしたという。そして、入店禁止を通告したことで事態は解決した。

 Aは、警察を見た瞬間にいつもの横柄さは消え失せ、敬語で話していたそうだ。

◆皿を隠して持ち帰る悪質行為

 大手回転寿司店で働き始めて1年が経過した頃、「あり得ない事件があった」と話してくれた菅原泰樹さん(仮名・30代)。

「ある日の休憩中、アルバイトとして働いていた主婦Bが慌てた様子で私のところへやってきました。その手には、お店のお皿が入ったビニール袋があったんです」

 菅原さんの頭の中は「?」でいっぱいだった。

「Bさんが休日に自分の家のゴミ出しをしていたら、ゴミ捨て場に当店の皿らしきものが捨ててあったそうです」

 当時、周りに他の寿司店はなく、明らかに菅原さんが働いている店の皿だと確信した。

◆皿には寿司の具や米粒がこびりついていた

「お皿には、まさに寿司がのっていたと思われる跡が残っていました。具がついていたりご飯粒がついていたり……。寿司を食べた後に、鞄などに隠して持って帰ったのだろうと思いました」

 客にはキャリーバックを持った人もいるため、犯人が誰なのか特定することは難しかったという。さらには……。

「お皿を見ただけでは、それがすべて同じ日に持ち出されたのか、少しずつ持ち出されたのか判断ができませんでした。枚数は50枚を超えていましたから」

 皿を持ち去った客は、お金が足りなかったのか(食べた枚数を減らそうとしたのか)、面白半分で行ったのか、嫌がらせでやったのか、菅原さんは今になってもわからないと振り返る。

 菅原さんは「大半のお客様はルールを守って食事をしている」と前置きしたうえで「少しでも迷惑行為が減れば嬉しい」と話した。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】

2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。