―[ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地]―
こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。
2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。
◆直接的な理由は多々あれど…バレる原因は大別すると2タイプだけ
さて今回のお話は、「不倫」が一般常識的に誤った行為であり、家族を傷つけ苦しめる行為であることを大前提としてお聞きください。
芸能界の不倫スキャンダルや知人・友人の不倫トラブルを、横目に見て来た“不倫をしたことがない人”からすると、不思議で仕方がないかもしれません。
「なぜ、どうせバレるのに不倫なんて愚行に走るのか?」と。
そのお気持ちはとてもわかりますが、しかし、「どうせバレる」という認識が間違っているのです。
“バレる不倫”は芸能人であれば世間に知られ、一般人であれば周囲に知られることになるので、数多の失敗談を見聞きしていると、「どうせバレる」と思うかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。
何千人もカウンセリングしてきた筆者のもとには、不倫恋愛についての相談もかなり多いのですが、不倫がバレてしまうというケースのほうが割合的には少ないもの。
“バレない不倫”は当事者以外には存在すら認知できていません。つまり、“バレる不倫”は氷山の一角であり、世の中にはバレないまま、波風立てずに終わっていく不倫も多いのです。
では“バレる不倫”と“バレない不倫”の違いとは?
実はバレてしまう不倫は大別すると2タイプに分かれます。直接的なバレ方のバリエーションは多々あれど、突き詰めていくと今からお教えする2つの原因に収束されていくことがほとんどなのです。
ここからは、不倫がバレてしまうその2つのタイプをご紹介していきましょう。
◆①本気になりすぎて冷静さを欠いて行動を制御できない
1つめは、男女どちらか、もしくは両方がその不倫愛にガチになってしまっているタイプ。
不倫相手との恋愛に燃え上がってしまうと、できるだけ会えるようにしたい、長い時間一緒にいたい、電話で声だけでも聞きたい……そんな衝動に突き動かされるようになってしまいます。
最後まで“バレない不倫”でいるためには、お互いが冷静さを保ち、常に慎重な行動を心掛けることが重要。ただし、冷静かつ慎重に念には念を入れていると、既婚者はなかなかゆっくり会えるタイミングが作れないものなので、寂しさに耐える自制心も必要になってくるのです。
言わずもがなガチ恋になってしまうと、自分の感情を制御できなくなっていき、暴走行動に出てしまいがち。
例えば、家族には残業だと言いつつ不倫相手とホテル密会を楽しみ、夜遅くに帰宅する回数が増える。
例えば、土日に接待が入ったと言いつつ不倫相手と日帰り旅行を楽しみ、子どもと過ごす時間が減る。
例えば、寂しさを募らせた不倫相手から電話がかかってきて、仕事のトラブルだと言い訳をして、夜に何時間も長電話してしまう。
急に生活のスタイルや仕事のスタンスが変わるのは、妻・夫からするとあからさまに怪しく感じるもの。にもかかわらず、不倫愛に没頭して冷静さを欠いてしまうと、自分の言動が不審すぎるということも客観的に判断できなくなってしまい、結果、不倫バレに繋がるというわけです。
◆不倫を「純愛」「一途」とのたまうようになったら要注意
ちなみに、不倫愛に本気になりすぎてバレるというのは、恋愛経験や遊び経験が少なく、真面目で浮気なんてしなさそうな人が、結婚後に急に恋に落ちてしまって不倫沼にハマった――というケースが比較的に多いです。
そして、不倫相手との関係を「純愛」「一途」などとのたまうこともよくあります。百歩譲って、妻・夫と離婚する覚悟があるならば「純愛」「一途」と言えるかもしれませんが、利己的な保身で家庭を守りながら「不倫」を「純愛」と宣言するなんて、矛盾しすぎていて笑止千万。
そんなわかりきった矛盾にも気付けないのは、冷静ではない証拠でもあるため、「純愛」「一途」と感じるようになっていたら要注意と言えるでしょう。
◆②不倫バレの対策を過信し、妻・夫の洞察力をみくびっている
2つめは、自分の不倫バレ対策を過大評価しすぎている、もしくは妻・夫の洞察力や勘を過小評価してしまっているタイプ。
これだけ徹底的に不倫隠しの工作をしていれば絶対にバレっこないと思っていたり、自分のパートナーを鈍感だと決めつけて多少のことなら怪しまないだろうと油断していたり……。
例えば、不倫相手のLINEの登録名を苗字にし、さらに帰宅前に毎回メッセージのやりとりを削除しておけば大丈夫だろう。
例えば、不倫相手とのお泊りは絶対せずに、遅くなっても毎晩きちんと帰っていれば「仕事が忙しい」でごまかし切れるだろう。
例えば、不倫相手のために急にオシャレや身だしなみにこだわって色気づいたとしても、変化には気付かれないだろう。
そうやって自身の対策を過信しすぎていたり、パートナーのことを甘く見すぎていたりすると、その油断が命取りになるなんてことはよくあるパターン。
◆不倫バレのきっかけは些細な出来事
筆者が聞いたことのある不倫バレのきっかけのなかには、女性の香水などが付かないようにと匂い対策はしていたつもりだったものの、“休憩”で立ち寄ったラブホ独特の匂いがジャケットについており、鼻のきく妻が浮気に勘づいたという事例がありました。
ほかにも、家族共有で使っている動画配信サービスの「視聴中コンテンツ」に表示される、ドラマや映画の系統に違和感を覚えた夫が、なぜ妻の趣味が変わったのかと勘繰るようになり、妻が同僚の年下男性と浮気していることを突き止めたという事例もありました。
ちなみに、自身への過大評価や相手への過小評価で不倫バレしてしまうというのは、独身時代も結婚後も遊びまくっているような人が陥りやすいケースです。
◆成功体験が多いゆえに「バレるはずない」と油断してしまっている
100%絶対にバレない不倫対策なんてこの世にはなく、本人がどんなに入念に準備したつもりでもバレない確率はたいてい90%程度。残り10%はバレるリスクがあるもの。
けれど遊び人タイプの人ほど、その90%の対策でこれまでさんざん浮気してきてもバレなかったという成功体験があるがゆえに、過信して油断してしまうのかもしれません。
逆に言うと何年、何十年と“バレない不倫”を続けられるのは、かなりの臆病者ということは往々にしてあるもの。どんなに何重もの不倫バレ防止対策を施していても、「いつバレてもおかしくない」と緊張感を持ち続けているような人は、油断はしないので対策のアップデートを怠りませんし、常に慎重に行動しているからです。
――繰り返しますが、不倫がいけない行為であるというのは大前提。そのうえで、“バレる不倫”と“バレない不倫”の違い、おわかりいただけたのではないでしょうか。
<文/堺屋大地>
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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi