いよいよ本題「こんな状況でも、バイト代の一部を株やNISAに運用して増やした方が良いか?」


貯金
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結論としては「今はその時期ではない」というのが率直な意見です。運用というのは増える可能性を期待してスタートさせるものです。ただし残念ながら確実に利益が出るという金融商品はありません。確実性であれば国が発行している個人向け国債などがありますが、2021年2月現在の10年満期の個人向け国債の金利は年率0.05%であり、いわゆる運用の利益は期待できません。(国債1万円に対して、1年間に5円の利息がつくことを表わしています)

株式投資で一攫千金というのも夢があって良いのですが、なかなか難しいのが実情です。ネット上や書店などでは「少ない資金で大儲けした」等の情報があふれていて、とても魅力的に見えるかもしれません。しかしながら逆説的な考えになりますが、レアケースであるからコンテンツになっているという見方もできます。

長期的視点での運用に関してはスタートさせても良いと思いますが、短期間で利益を出すという運用はプロでも難しいことであるということをご理解いただけたらと思います。まずは日々の生活の中で、少しずつで良いので貯金をしていくことが優先でしょう。

また、近年は大学生や若年層の方で「このもうかる情報は内緒なんだけど、あなたは友達なので特別に教えてあげるね。」等の声をかけられ、詐欺行為など金融事件の被害に遭う、場合によっては加害者になってしまうようなニュースも見受けられます。ご注意ください。

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まとめ

Sさんのご事情はシリアスなものであると思います。まずは収入と支出の全体像を把握し、受給可能な支援策や公的制度の活用を進めましょう。また奨学金に関しても将来的に返済が必要なお金です。既に行っておられるとは思いますが、日々の生活の中で少しずつでも余裕資金を作る仕組みにチャレンジしてみてください。

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