2025年春夏パリコレクションが9月22日からスタートしました。10月1日までの期間中、パリ市内のあちこちで開催されるファッションショーやプレゼンテーション、イベントなどを見て回ります。ファッションのことだけでなく、街で見かけた気になること、パリらしいものなどをお伝えします。
異彩を放つブランド「ヘラルボニー」がパリで初お披露目
「ヘラルボニー」という企業をご存じでしょうか。国内外の、主に知的障害のある作家たちの描く2000点以上のアート作品のデータのライセンスを管理し、さまざまなビジネスへと展開している日本の企業です。支援ではなく対等なビジネスパートナーとして、作家の意思を尊重しながらプロジェクトを進行し、正当なロイヤルティーを支払う仕組みを構築しています。
アートを通じて、社会を変革していこうとするブランド「ヘラルボニー」を運営しており、今回、アール・ブリュットもしくはアウトサイダーアートを牽引(けんいん)する「ギャラリー・クリスチャン・バースト」を会場に、最高級のシルクサテンのスカーフを展示するとともに、作家たちの作品も披露しました。
それぞれの画風には、私たちの常識を打ち破るような美しさや面白さがあります。ヘラルボニーがパリで、ヨーロッパで、そして世界でどのように受け止められ、広がっていくのか、楽しみです。
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人気の日本ブランド「CFCL」。テーマはKnit-ware
©︎CFCL Inc.
スロベニアのトリオŠiromが奏でる民族的な音楽が流れる中、ショーが始まりました。今回のテーマはKnit-ware。手仕事という伝統的な技法と最先端のテクノロジーが融合するアイテムが登場しました。平面的な民族衣装、日本の伝統的な染色技法「注染(ちゅうせん)」、東南アジアの絣(かすり)の一種「イカット」などを着想源に、コンピュータープログラミングの技術と組み合わせて生まれた服は、考え、手を動かす人間の温かみを帯びた「進化する服」のように見えました。