ベースアップと定期昇給の違い
上昇
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最後に、ベースアップと定期昇給の違いについても簡単に整理しておきます。
ベースアップは「ベース(基礎)のアップ(上昇)」と和訳できるとおり、基本給の引き上げです。ベースアップが行われると、社員全員もれなく給与が引き上げられます。
対して定期昇給は会社の業績や年齢・勤続年数に応じた定期的な引き上げの機会を指します。昇給のタイミングは年1、2回とする企業が多く、例えば勤続年数が1年長くなると基本給が1万円上がるといった形です。ただし、定期昇給はあくまで定期的に昇給の「機会」を設けているのであり、昇給が約束されているわけではありません。
また定期昇給は年功序列とは異なります。もちろん勤続年数や年齢を昇給の条件とする企業もありますが、個人の仕事の成果などが規定に含まれている場合もあります。定期昇給については会社の就業規則に条件が記載されているため、気になる方は確認してみるとよいでしょう。
まとめると、ベースアップと定期昇給はどちらも給与の引き上げを意味しますが、社員全員を対象とするのか、個人に対する昇給機会なのかが大きな違いです。なお2024年の平均賃上げ率5.1%は、ベースアップと定期昇給を合わせた数字です。
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まとめ
最後に、本記事の内容を簡単にまとめておきます。
・2024年の平均賃上げ率は5.1%と33年ぶりに5%を超える高水準
・20代男性の平均収入から5.1%の賃上げによる手取り月収を試算すると21万5000~24万6000円となり、賃上げ前と比較して7000~8000円の増加
・物価が上昇しているため、賃上げ率だけでなく実質賃金の上昇も重要
33年ぶりの高水準となった2024年の賃上げですが、物価も上昇しているため「給料が上がって家計が潤っている」とはなかなか感じづらいでしょう。
物価の上昇率を賃上げ率が上回った時、ようやく効果を実感できるはずです。2025年の春闘は2月、3月頃に盛り上がり始めます。物価の上昇率とともに注目してみると今までとは違う見方ができるでしょう。