「休むこと」が下手すぎる日本人がすべきこと。2024年の調査では78.3%の人が“疲れている”と回答

知らず知らずのうちに隙間時間を埋められ、平日は「24時間、戦えますか」状態の現代人。しかし、休日に寝ているだけでは、疲労は蓄積するばかり。“休み下手”な日本人の溜め込んだ疲労を吹き飛ばす休養法を手に入れ、「休む」を改革せよ!

◆疲れている日本人は78.3%!


あなたはきちんと休めていますか? 一般社団法人日本リカバリー協会が、全国の20~79歳の男女10万人を対象とした健康調査から、「日本の疲労状況2024」を分析。実に78.3%の人が「疲れている(慢性的に疲れているを含む)」と回答。政府も働き方だけでなく、’17年から休み方改革を推進するほど、国を挙げ対策が急がれている。

「現代人は肉体の疲れだけでなく、デジタル化に伴い、あらゆるマルチタスクを課され、脳疲労が蓄積しています。それらがなかなか改善されないために、疲労を感じる人の増加に繫がっている」と、分析するのは、対アスリートの疲労回復研究から「休養学」を見いだした医学博士の片野秀樹氏。

「加えて昨今の“タイパ重視”で、事態は年々深刻化しています。簡単に連絡がつくツールが増え、一日中何かに追われていては脳が休まる暇がありません。肉体的な疲労は発熱や痛みなどで自覚しやすいのですが、脳疲労は使命感や責任感、期待感、サプリや栄養ドリンクでも一時的に疲労感を無視する『マスキング』ができてしまうんです」

◆疲労感が残ると深刻な病気を招く可能性も…

脳を騙し続けていると、ただ休日に体を休めるだけでは疲労の根本は解決しない。寝てもダルいなど疲労感が残ってしまい、深刻な病気を招く原因にもなりうる。

「疲労が半年以上続くと、慢性疲労といわれる状態になり、さらにそこから発症する恐れのある慢性疲労症候群は立派な病気の一種。頭痛や咳、発熱が続く……など、体がSOSを発し、急に心身が壊れてしまう可能性も高い」

◆日本人に必須なのは“攻めの休養”

だからこそ、片野氏はごまかすような守りの休養ではなく、攻めの休養が必須と説く。

「例えばドイツ人は、年初に職場のメンバーで長期休暇の希望スケジュールを話し合うことから仕事を始めるくらい、休養に対してアグレッシブです。国民性や制度の違いはあったとしても、日本人はもっと上手に休むことを本気で考えるべきだと思います」

とはいえ、長期休暇の取得は難しい。土日という限られた時間でフル充電する方法こそ、日本人には重要なのだ。

【博士(医学) 片野秀樹氏】

日本リカバリー協会代表理事。ベネスク執行役員。休養に関する社会のリテラシー向上のための啓発活動に取り組む。著書に『休養学』

取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/にぎりこぷし

―[土日で超回復する最強の休養法]―