夏のお疲れ解消に、癒しの映画3選

　９月下旬まで続いた記録的な猛暑で、ヘトヘトになっている人は多いのではないでしょうか。
　そこで今回は、疲れた体と心を癒してくれるような映画を3作紹介します。ゆったり静かに鑑賞するのにぴったりの良作です。

蒸気の中、裸で語り合い、浄化される男たち
『サウナのあるところ』

　約550万人の人口に対して約300万個のサウナがあるという、サウナ大国・フィンランド。
　本作は、サウナの蒸気に包まれながら、真っ裸の男たちが身の上話を語り合う姿をとらえた異色ドキュメンタリーです。

　男たちはサウナの中で、“女性はマッサージが好き”というライトな会話を楽しむこともあれば、子ども時代のトラウマや離れ離れになった娘のこと、犯罪歴があることなど、人生の悩みや苦しみを吐露して泣き出すことも。汗も涙も流して心身ともに浄化する場所、そして人々が自然と寄り添うところ、それがサウナなのです。

　フィンランドの四季の自然とともに、湖に飛び込めるサウナ小屋や、自作と思われるキャンピングカー型のサウナ、電話ボックス型のサウナなど、「こんなサウナもあるのか！」と驚くようなサウナが登場するのも見どころ。日本人の温泉愛に通じる、フィンランド人のサウナ愛が伝わってきます。

『サウナのあるところ』

2010年製作

アップリンクDICE+、U-NEXTで配信中
DVD　￥4,180
発売元・販売元：アメイジングD.C.

歌声と笑顔に心がじんわり温かくなる
『ブータン　山の教室』

　ブータンの首都ティンプーで働く若い教師のウゲンは、オーストラリアに渡って歌手になることを夢見ています。そんな中、ブータン一の僻地といわれるルナナ村への赴任を命じられます。しぶしぶ出発するウゲンですが、8日間のトレッキングを経て辿り着いた村で村民から歓迎され、黒板も何もない学校でなんとか授業を行おうと苦心しますが……。

　教師をやめたかったウゲンは、村から迎えの人が来てくれているというのにヘッドホンをしたままトレッキングをするなど失礼な振る舞いをしていて最初はいらいらさせられますが、子どもたちの笑顔と学びたいという純粋な気持ちに触れて、少しずつ変わっていきます。やがて、伝統の歌を教わり、村に溶け込んでいきますが、秋の終わりが訪れます。雪に閉ざされる前に彼はここから離れることになっているのです。

　山に響く歌声と子どもたちの笑顔に心が温かくなると同時に、私たちが忘れがちなモノに頼らない豊かさを思い出させてくれる作品です。

『ブータン　山の教室』

2019年製作

Blu-ray　¥5,280／DVD　￥4,290
発売元：ドマ
販売元：ハピネット・メディアマーケティング

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蒸気の中、裸で語り合い、浄化される男たち 『サウナのあるところ』

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