普通の会社員だった男性が「30代でFIREを達成できたワケ」。稼ぐために必要な3つのこと

 皆さん、こんにちは。メンタルトレーナーの三凛さとしです。私は20代で借金と挫折を経験し、その中でメンタルトレーニングの重要性に気づきました。その後、ビジネスに成功し、30代で一度FIREを達成。その体験などをもとに「人生を好転させるヒント」をSNSで発信しています。

 日刊SPA!では「ストレスなく生きていくための方法」をお伝えできればと思っております。前回はFIRE達成後の生活について、ご紹介しましたが、今回は「30代でFIREを達成するまでにやっていたこと」について、お話ししていきます。

◆「働いたら負け」と思っていた20代

 大学卒業後、私が就職したのは大手一般企業です。選んだ理由は単純で、「安定していそうだし、簡単にはクビにならないだろう」というものでした。当時の私は、「自分に大した才能なんてないし、やりたいこともないし、どうせ大した人生にはならないだろう」と感じていて、「働いたら負け」「就職するのは会社の奴隷になることだ」くらいに思っていました。

 そこで、なるべく何もしないで済む就職先を選んだ結果、内定が出た会社の中で一番安定しそうな大手企業に入社することを決めました。

 まさにやる気のない新卒社員だったわけですが、ラッキーだったのは、会社の上司や先輩にとても恵まれたことです。最初はやりたくない仕事をダラダラやるだけだったものの、3年も働くうちに「仕事って、意外と悪くないかも?」と思うようになって、仕事の楽しさも少しずつ感じられるようになりました。

 そして、入社3年目、私は会社を退職し、突然アメリカに行くことを決断します。このとき「どうせ好きでもない仕事を3年間も続けられたんだから、自分の興味のあることならもっと続けられるかもしれない!」と思ったのがきっかけでした。

◆アメリカで驚いた「押しのけてなんぼ」というカルチャー

 到着したのは、アメリカのNY。生活はとても刺激的でしたが、一方で、「自己主張こそが全て」という文化には驚かされることが多かったです。たとえば、同じミーティングでも、日本ではお互いに発言の順番を気にかけたり、周りを配慮したりすることが当たり前ですが、アメリカではそんな気配りは一切ありません。道を歩いていても、誰も譲ってくれませんし、ビジネスの場でも「押しのけてなんぼ」という雰囲気が漂っていました。

 当時の私はファッションデザイナーを目指していましたが、アメリカに身を置いて直面したのが、「この場所で成功するには、デザインのスキルだけではなく、自己主張や人脈が必要だ」という現実でした。どんなにスキルを磨いても、引っ込み思案な性格ではチャンスが巡ってこない。逆に自己アピールがうまい人は、そこまでセンスがなくても成功していく。

 その様子を目の当たりにし、「なんて自分はメンタルが弱いんだろう……」と落ち込むようになりました。

◆転機となったFacebookの広告


 チャレンジする勇気が持てない自分を変えたいと思うようになった頃、転機となったのは、Facebook上で偶然目に留まったひとつの広告です。

「あなた何のためにアメリカに住んでるんですか!?」

 そう書かれた広告をクリックしてみると、リンク先には、ロサンゼルス在住の日本人ライフコーチがいました。そして、その方が提供しているメンタル改善プログラムを通じて、自分を抑え込んでいた心理的な要因を解放できる、というものでした。

 当時の私は、ライフコーチという職業の存在を知りませんでしたが、「自分を変えたい!」と思い、決して安くはないものの、思い切ってそのプログラムを受けることを決めました。

 そして、いざプログラムを受けると、「こんな世界があったのか」と深い衝撃を受けたのです。これを契機に心理学の世界の深さにどっぷりとハマってしまった私は、いつしか心理学の研究を始めるようになっていました。

 そして、2014年の元旦、「これからはライフコーチとして生きていこう」と決心します。その後は、ライフコーチとして独立し、自らをコンテンツ化してネットビジネスと連携させることに成功。その結果、毎年1億円近い収益を得て、経済的に自由な生活を手に入れることに成功しました。

◆最初のステップは「買ってもらう」ものを決めること

 さて、ここまで駆け足で私がFIREに至った理由をお伝えしましたが、読者のみなさん一番気になるのは「いかにしてビジネスを成功させたか」だと思います。

 私が具体的に何をしたのかというと、ごくシンプルです。人が何らかの商品を購入するに至るステップは「知る」「手に取る」「買う」に集約されます。だからこそ、「買ってもらうにはどうしたらいいか」「手に取ってもらうにはどうしたらいいか」「知ってもらうにはどうしたらいいか」という順番で、段階を踏んでビジネスモデルを突き詰めていけば、必ずなんらかの成果を上げられるはずなのです。

 では、順を追って考えてみましょう。

 まずは「買ってもらう」というステップについて。これは、自分が売る商品やサービスを決めるところから始まります。もし、文章を書くのが上手な人なら「読まれやすいメルマガの書き方講座を提供します」と自分のスキルを商品化し、メルマガやブログの書き方を教えるオンライン講座を提供するなどの展開が見込めます。

 私の場合は、ほかのコーチの方々や本や教材から学んだメンタルコーチとしての知識を商品にすることを決めました。

◆2つ目のステップは「手に取ってもらう」


 次は「手に取ってもらう」というステップです。商品やサービスをいきなり買ってもらうのは難しいので、まずは無料サンプルを通じて、お客さんに試してもらう機会を作りましょう。

 たとえば、化粧品業界では、ドモホルンリンクルの無料お試しセットが有名ですが、これは実際にサンプルを使って肌の変化を実感することで、購入を検討してもらう仕組みです。

 私が実際にやったのは「無料のコーチングセッション体験」を提供することでした。初回は無料で受けてもらい、その効果を感じてもらったら「有料セッションに申し込んでみませんか?」と提案し、無料体験をよいと思ってくれた何人かの方がそのまま有料セッションに進み、顧客となってくれました。

◆3つめのステップは「知ってもらうこと」

 最後のステップは、「知ってもらう」ことです。どんなによい商品を作っても、存在を知ってもらわなければ話になりません。

 たとえば、新規オープンのラーメン屋さんは、開店早々にクーポンを配ったり、駅前でチラシを配ったりするのも「手に取ってもらう」ための工夫を行います。クーポンを使ってお店に来てもらい、一度ラーメンを食べたお客さんには「また来よう!」と思ってもらえるでしょう。

 現代では、SNSなど無料で使えるPRツールがたくさんあります。私も、最初にコーチングセッションを始めたとき、アメブロやFacebook、メルマガなどを使って自分を知ってもらうように意識しました。

◆3つのステップを踏めば、誰でもビジネスは作れる


 もちろん中には「自分には売れるほどのスキルがない」と思う方もいるでしょう。その場合は、最初にスキルを培う作業も必要です。得意なことや前から挑戦してみたかったことに取り組んでもいいし、動画編集やSNS広告などいまの時代に求められるスキルから選んでみるのもいいと思います。私自身も最初はゼロからコーチングを学び、そこから無料体験を提供して、次に顧客を増やす形を取りました。

「知ってもらう」「手に取ってもらう」「買ってもらう」という3つのステップさえ意識して実行すれば、誰でもビジネスを立ち上げることができます。そして、ビジネスが軌道に乗れば、他人に業務を任せたりマニュアル化したりと、いわゆる自動化を進めることで、経済的な自立と時間的にも余裕のあるライフスタイルに一歩ずつ近づいていくことができます。

「ビジネスの立ち上げなんて難しそう」と思わず、まずは第一歩踏み出してみてほしいと思います。

文/三凛さとし

【三凛さとし】

富とお金のメンタルトレーナー。ニューヨーク州立大学卒業後、借金苦と人生の挫折からメンタルトレーニングの重要性を学び、不動産ビジネスで成功。その成功体験をもとに、人生を好転させるヒントをSNSで発信。YouTube、X、Instagramなどで合計45万人以上のフォロワーを獲得し、初書籍「親子の法則」の発行部数は6万部を記録。自身が開発したコーチングプログラムは約10年でのべ20万人以上が参加。