利上げの実態を知っておけば怖くない
私のもとに相談に訪れる人で、いちばん多いのが「この物件を購入して本当に自分が住宅ローンを払いきれるのか」と「変動金利と固定金利のどちらにしたほうがいいのか」という相談です。
私自身も住宅ローンを組む際に、変動金利か固定金利かどちらを選ぶかについては、かなり頭を悩ませました。
確かに変動金利は安いのですが、銀行の都合で基準金利が上下します。そのリスクを取ってもいいのか……。現役の会計士であっても、当時はまだ住宅ローンの専門家ではなかったため、難しい選択だったのです。
日本では今まで、変動金利は上がっていませんでした。そのためもあるのか、日本で住宅ローンを組む人の実に9割以上が変動金利を選んでいると言われています。海外、特にアメリカだと国の事情や制度が違うこともありますが、変動金利を選ぶ人は1割弱しかいないそうです。
必要以上に「日銀の利上げがいつなのか」と恐れるなら、金利は高めでも固定金利を選ぶとよいでしょう。考え方次第ですが、変動金利で0.1〜0.2%上がったとしても、毎月の支払いは1,000円くらいしか増えません。
しかも、変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」があります。突然金利が上がったからといってパニックにならないよう、あらかじめ知識を持っておくことが大切なのです。
[図表5]日本とアメリカにおける固定金利と変動金利を選ぶ人の比率 出所:『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より抜粋
千日 太郎
オフィス千日(同)代表社員
公認会計士