2025年春夏パリコレクションが9月22日からスタートしました。10月1日までの期間中、パリ市内のあちこちで開催されるファッションショーやプレゼンテーション、イベントなどを見て回ります。ファッションのことだけでなく、街で見かけた気になること、パリらしいものなどもお伝えします。
「Mame Kurogouchi」のテーマは「かたち」
2日目、最初のショーは日本のブランド「Mame Kurogouchi」。会場は、マレ地区にある「OGATA Paris」。日本の文化を発信する拠点ともいえる、モダンでクールな場所です(パリに来たら、一度は行ってみることをおすすめします)。ショーが始まる前には日本茶と和菓子が振る舞われました。
今回のテーマは「かたち」。ショーの際、いつもデザイナーの黒河内真衣子さんの着想源となった品物が展示されています。本や偶然手にした小石などなど。 京都で目にしたちょうちんの「かたち」を支える骨組みの構造がグラフィカルなニットのパターンになるなど、布との交流の中から独特なフォルムが生み出されています。黒河内さんのデザインを見ると、いつも「魂は細部に宿る」という言葉を思い出します。
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アーチェリーのパフォーマンスも登場した「ディオール」
アーティスト「サグ・ナポリ」 ©︎DIOR
ディオールの会場はロダン美術館。セレブが勢ぞろいする華やかなショーだけに、会場周辺には大勢の人が集まっていました。ショーが行われるのは敷地内に作られた特設テントです。
そこに行くまでに、ロダンの有名な作品「接吻(せっぷん)」のほか、庭にある「考える人」も見ることができます。すごいっ!
会場に入ると長いランウェーそのものが透明な箱のようになっていました。最初に登場したのは、弓矢を持った女性。この女性は作品にアーチェリーを用いるアーティスト「サグ・ナポリ」で、実際に矢を放つパフォーマンスも。
今回のショーのテーマは「アマゾネス」。発想の起点になったのは、クリスチャン・ディオールが1951-52年秋冬オートクチュールコレクションで発表した「アマゾーヌ」ドレスだそうです。今年はパリオリンピック・パラリンピックが開催されたこともあり、スポーツや肉体の身体とそれを飾るものの関係がテーマのようでした。
スポーツウェアの要素を多分に入れ、ワンショルダーを多用した服の数々で、マリア・グラツィア・キウリは強い女性像を打ち出しました。