「早く帰りたい」銀座ホステスが明かす、初デートの失敗談

 大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。姪とLINEのビデオ通話でおしゃべりすることがあるのですが、先日は少し下めのアングルで画面に写っている自分がデブすぎてバズ・ライトイヤーに見えました。痩せます。

 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただいております。

◆日替わりデートのお相手を求めて

 

「社会人になると出会いが減っちゃうよね」と、ぶつくさ言っていたら、流行り病のおかげで夜遊びまで制限されて、すっかり潤いのない日々を過ごしていたあの頃、多くの男女が、潤いとか、もっとシンプルに「今晩のお相手」などを求めて、1度はマッチングアプリをダウンロードしたんじゃないでしょうか。

 同じように歳を取って、同じようにぶつくさ言っていた女友だちも「数うちゃ当たる」的な投げやりな態度とアグレッシブさで、出会いの場をオンラインへ移行していました。

 ただ、“運命の出会い”なんてほぼ皆無で、そのほとんどが女同士で集まってお酒を飲んだり、しんみりしたりする際の「ネタ」として消費されていた印象です。

 今回はアプリで出会った相手との「初デートの失敗談」をご紹介します。

 

◆「ラーメンが好き」とは言ったけれど……

 長女らしい遠慮と気配りで、「ご馳走になるとしても男性の負担にならないものを」と考え、プロフィールの欄に「好きな食べ物はラーメンです」と記入していた友人A。

 いざマッチングした男性と初デートに出かけますが、お相手のデートプランが「ラーメン屋さんのハシゴ」と、とってもわんぱくでした。30代後半女性の胃袋に、ラーメンの脂は正直キツいです。

 翌日の彼女は「まだ胃がムカムカする」と言って、胃薬を飲んでいました。

 初対面の女性とデートをする場合、ラーメン屋さんより、もうちょっと色気のあるお店をチョイスできると素敵です。ラーメン屋さんデートも最高ですが、それはもう少し仲良くなってから。初対面の女性とすることではありません。

◆別れ際の引き止め方が強引すぎる①

 

「ありえないんだけど!」と話す友人Bが憤るワケは、男性が「美味しいところを知っているから」とエスコトートしてくれたお店が、某大手焼き鳥チェーンだったからでも、お会計が割り勘だったからでもなく、「別れ際の引き止め方が強引すぎる」からでした。

「割り勘なのは、相手の男性が歳下だったから仕方ないとして」と、彼女は続けます。

 食事を終えて、さあ帰ろうというタイミングで「あ、オレ、終電ないんだけど」と、彼が言うそうです。終電がない?知ったことではありません。

「そうなんだ……じゃあ、私はこっちなので」と、解散しようとしますが、彼はなおも食い下がり「寂しい」「本当に帰っちゃうの?」と、袖を引きます。ちなみにアンガールズ田中さんにそっくりだったそうです。

 キリがないので「久しぶりにハイヒールで走った」と、ウンザリ顔で話してくれました。

 帰宅後、スマホを見ると「本当にいいの?」「帰っちゃうよ」と、彼から数件のLINEが続き、さらに数件の着信履歴の後に、

「こんなに酷いことをされたのは初めてです。ブロックします!!」

 と、LINEがあったそうです。

◆別れ際の引き止め方が強引すぎる②

 これは私のお話です。オンラインで出会ってデートをした男性に、その日は焼肉をご馳走になりました。

 彼は「ネイル可愛いね」と、私の指に触れたり、いつもと少し様子が違います。なんとなくそういうモーションをかけられているような気がしました。私としては、悪い気はしないけれど「今日じゃないな」という気分でした。だって、焼肉を食べた後だし。

 そんなわけだったので、食事の後はそのまま解散するつもりでした。

 ところが、最寄り駅についた途端に彼は「えー! 帰るの?」「家行っちゃダメ?」と言います。可愛いですね。「何もしないから! お願いお願い!!」とまで。悪い気はしませんが、そういう気分じゃないんです。

 お構いなしに帰宅させていただきました。その節はごめんなさい。

 私たちの気まぐれに振り回されてくれる男性って可愛いです。

◆マッチングにもひと苦労

 先日、友人Cがスマホを指して「ねえ、これって〇クンじゃない!?」と言うので、画面を覗いてみると、昔、数か月だけバイト先にいた男性のプロフィール写真でした。どうやらアプリ内で元同僚同士がマッチングしてしまったようです。

「何この写真? ゲーム? キモ!」「デート代は……男性が多めに払う!? うっわ〜」と、女同士でひとしきり盛り上がった後、「で? 会ってみる?」と彼女に尋ねると「ないない」と即答でした。

 噂話が大好きな彼女のことだから、関係各所で「ねえ、これって〇クンじゃない!?」とやっていそうです。南無。

◆メアドを赤外線受信していたあの頃

 

 今回は「初デートの失敗談」をご紹介しました。ポケベルからケータイに変わった頃、出会い系サイトが流行って、良くない売買の温床になっていました。アプリ=出会い系のイメージが強く、「パンツ売ってとか言われたらどうしよう」と、いまだに少し怖かったりします。

 女子高校生だった当時は、塾で隣になった女の子の友だちのそのまた友だちの従兄弟とかのメールアドレスを教えてもらって、そうやってなんとか他校の男子とデートしたりしていました。

 実際に待ち合わせてみると「写真と全然違うな」ってのは平成も令和も変わらなさそうですね。二重あごを一生懸命修正している私としてはあまり偉そうなことは言えませんが。

<文/みずえちゃん>

【みずえちゃん】

1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989