近年、洗面所とは別に、玄関に手洗い場を設置するリフォームが増えていきています。玄関の手洗い場は帰宅してすぐに手洗い・うがいができるため衛生面でも魅力的なほか、来客用のセカンド洗面台としても活用できます。メリットが多そうな玄関の手洗い場ですが、設置しても結局使わず邪魔になってしまうのでは?と気になっている方もいるかもしれません。

今回は玄関に手洗い場を設置するメリットとデメリット、また設置する際の注意点を解説します。写真付きの施工事例も紹介するので、玄関に手洗い場を設置するか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.玄関に手洗い(セカンド洗面台)を設置するメリット

玄関に手洗い台(セカンド洗面台)設置するメリットとして、主に以下が挙げられます。

感染症対策になる

来客用として使える

子どもの手洗い習慣がつく

玄関近くの水栓として活用できる

1-1.感染症対策になる

画像提供:AWAMISTミズタニバルブ工業株式会社

玄関に手洗い場を設置する大きなメリットは、感染症対策に有効な点です。新型コロナウイルスの流行を経て、うがい・手洗いの重要性が以前に増して注目されるようになりました。

玄関に手洗い場を設置すれば、帰宅後すぐにうがい・手洗いを済ませることができます。外で触った菌を真っ先に落とせるので、ウイルスや汚れを室内に持ち込む心配がありません。新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや一般的な風邪の予防にも効果的です。

1-2.来客用として使える

来客があった際、手洗いや身支度を整える場として洗面所を利用してもらう場面は多いでしょう。洗面所は脱衣所やお風呂場と近い場合が多く、衣類用洗剤や家族の歯ブラシ、洗濯物など生活感を感じさせる物がどうしても目に入ってしまいます。

来客にプライベートな空間を見せることに抵抗がある方も少なくないでしょう。玄関の手洗い場を来客用と兼ねれば、プライベート空間を見られることがないので安心です。

1-3.子どもの手洗い習慣がつく

子どもに手洗い・うがいの習慣をつけたくても、玄関から洗面所までが遠いとなかなかすぐに言うことを聞いてくれないものです。手を洗うまでに部屋のあちこちを触ってしまい、衛生的に気になるという親御さんもいるのではないでしょうか。

玄関に手洗い場を設置すれば、室内を歩き回る前に手洗い・うがいを済ませられるので、子どもに手洗い習慣をつけるうえでも効果的です。

1-4.玄関近くの水栓として利用できる

玄関の手洗い場は、玄関先の掃除や花壇の水やりなど外での用事にも利用できます。玄関先の水源として外水栓を設置する住宅は多いですが、屋外にある分天候の影響を受けて素材が劣化しやすいといったデメリットがあります。

玄関の手洗い場は屋内にある分、外水栓ほど劣化スピードが早くなく、デザインの自由度も広がります。先述したような来客用の手洗い場としても使えるので、外水栓よりも多彩な用途がある点もメリットです。

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2.玄関に手洗い(セカンド洗面台)を設置する際のポイントや注意点

メリットの多い玄関の手洗い場ですが、注意すべきポイントもあります。玄関の手洗い場を設置する際に気を付けたいのは、以下の3点です。

動線を考える

配管工事費用がかかる

水撥ね対策をする

2-1.動線を考える

手洗い場を設置するには相応のスペースが必要になり、その分玄関が狭くなってしまう場合があります。玄関に手洗い場をつくったために収納スペースが削られ、生活動線に影響が出てしまうケースも起こりえます。手洗いボウルだけでなく石鹸やタオルを置く作業台も設置するのであれば、さらに空間が必要です。逆に手洗い場をコンパクトにつくりすぎて、使いづらさを感じてしまうといった失敗談もあります。

そのため、セカンド洗面台を設置する際は、ショールームなどで実物の大きさを体感してみるのがおすすめです。カタログや図面では小さく見えても、実際に見てみると想像よりも大きかったという話もよく聞かれます。設置後に後悔しないためにも、手洗い台のサイズ感や生活動線は事前によく確認しておきましょう。

なお、手洗い台には、ウォーターサーバーのようなスリムでコンパクトなデザインの商品もあります。

画像提供:AWAMISTミズタニバルブ工業株式会社

ミズタニバルブ工業の「AWAMIST」は、幅35cm×高さ116cm×奥行き26cmというコンパクトサイズ。下部のボックスを取り外して台の上に置いたり、壁面に埋め込んだりすることもできるので、さらに省スペースになって、玄関の限られた空間を最大限有効活用することができます。

また、泡状とミスト状の水を同時に吐水する独自仕様と蛇口・ボウルを一体化した設計で、省エネかつ水が飛び散りにくいのも、玄関に設置するのに嬉しい作り。土間ではなく上がり框の上の廊下において、トイレの手洗いと兼用する場合も安心です。

水道工事をすれば室内のどこでも置けるので、玄関の手洗い以外でも、さまざまな用途に使えます。

2-2.配管工事費用がかかる

玄関に手洗い場を設置するには、給排水の配管工事が必要になります。

新築時に玄関の手洗い場を設置する費用はおよそ10~25万円が相場だといわれていますが、リフォームで設置する場合は壁や床の工事のほか、配管の構造を変える工事も必要になるため、それ以上の費用になることを想定しておきましょう。配管ルートによっては工事費が高額になる場合もあるので、セカンド洗面台のメリットと天秤にかけて設置するかどうか考えましょう。

2-3.水撥ね対策をする

玄関に手洗い場を設置する際、水撥ね対策は欠かせません。玄関付近の壁は水撥ねの想定がされていない分、洗面所の壁に比べて耐水性が低い場合が多くあります。そのため水撥ね対策をしていないと、手洗いの最中に撥ねた水がカビや汚れの原因になってしまう可能性があります。

手洗い場の付近には耐水性の高い壁紙を使用する、水撥ね防止のパネルを設置する、手洗い台を広くとるなど、設計の段階からよく計画を練りましょう。壁紙に掃除のしやすい素材を使用するのもおすすめです。