「こちら大人気の商品で…」「最後の1点なんですよ」こうした接客は定番中の定番ともいえますが、ときには逆効果になることもあるといいます。長期的な視点で顧客関係を築くにはどのように接するとよいのでしょうか。本記事では、元ルイ・ヴィトン トップ販売員の土井美和氏の著書『元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典』(大和出版)より一部を抜粋・再編集して、お客様の心をつかむフレーズをご紹介します。
とても人気の商品だとアピールする→それだけでは不十分
・無難なフレーズ…「こちら大人気の商品で、最後の1点です」
・心が動くフレーズ…「発売前からお問い合わせがとても多くて、初回入荷分は一度完売してしまったのですが、本日久しぶりに1点のみ入荷しました」
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「大人気の商品」という表現は漠然としていて、お客様に届きにくいフレーズです。どのぐらい人気なのか、どの点が人気なのか、どのような人に人気なのか、など具体的にお伝えできると、伝わる度合いがぐんと深まります。
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どこが魅力的だから人気なのか、理由をしっかり伝える
大前提として、お客様がすべて「大人気な商品」がほしく、「最後の1点」だから焦るわけではないということをまず認識すべきです。
「大人気=多くの人が持つ可能性がある」のであればむしろいらない、というお客様からしたら、このようなひと言は逆効果になってしまいます。このような方は、実際私の友人にもいます。大人気・売れ筋商品とわかった瞬間、「なら、絶対買わない!」と言うぐらいです。
その一方で、「人気商品だとわかると安心して購入できる」というお客様も、もちろんいるでしょう。その場合、ただ「大人気商品です」とお伝えするのではなく、
というように、どこが魅力的だから人気なのかという「理由」をしっかり伝えられると、納得感に繋がります。
たくさんの人が持っているものは苦手というお客様にも、なぜここまで人気なのか理由をお伝えしたところ、「たしかにそう言われてみると、あってもいいかもね」と心変わりして購入に至るケースは少なくありません。
また、お客様がなぜこの商品が気になったのか、なぜほしいと思ったのか、という「なぜ」をきちんとヒアリングできていれば、
というように、同じようなニーズを持っている人に愛用されている、と伝えることで安心感を与えることもできます。
「ご愛用の感想を聞く」が普段からできていれば、他のお客様におすすめするときにも活きてくるわけです。どのような方がどんなときに愛用しているかアンテナを立てているからこそ、伝えられる言葉ですよね。