広島が厳しい状況に追い込まれた。

2024年10月1日のDeNA戦(横浜)に1-3で敗れ、借金3に。3位・DeNAに3ゲーム差に突き放された。このままいけば、2日にもCS進出の可能性が消滅する。

中軸で本塁打を打てる選手がいれば…

8月まで首位争いを繰り広げていたが、10月2日試合前時点で、9月以降は5勝21敗と大失速。最大14あった貯金を使い切った。

ただ、この事態を予測できなかったわけではない。

8月までは強力な投手陣で白星を重ねていたが、打線は小粒でなかなか得点が取れなかった。秋山翔吾、野間峻祥、小園海斗と巧打者が並ぶが、中軸で本塁打を打てる選手がいない。

チームで2ケタ本塁打は坂倉将吾のみで11本塁打。長距離砲として期待された末包昇大は度重なる故障で離脱し、8月から復帰したが、77試合出場で打率.241、9本塁打、37打点。9月は月間打率.171、0本塁打、6打点と苦しんだ。

投手陣が崩れた時、打線が援護できなければ負けが込むのは当然ともいえる。

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今季加入の外国人野手2人が大誤算

助っ人外国人が戦力になかったことも大きな誤算だ。

新加入のシェイク・シャイナーは12試合出場で打率.133、1本塁打、5打点。左手首負傷で今季中の復帰見込めなくなったため、9月20日にシーズン途中で退団が決まった。

マット・レイノルズも開幕2試合で4打数無安打に終わると、左肩痛で早々と登録抹消に。6月20日に左肩の手術を行い、28日に契約解除となった。

スポーツ紙デスクは、

「出場している選手は精一杯頑張っているが、チーム力に限界を感じました。打線に怖さがないし、選手層が薄い。来季のチーム編成は外国人選手の補強がポイントになる。日本で実績十分のダヤン・ビシエドが中日を退団するようなら、獲得に動くべきです。レギュラーとして考えていなくても、今年のように助っ人がまったく働かない時は頼りになる。日本人枠で起用できますし、仮に年俸5000万円以下で獲得できるなら価値があります」

と指摘する。

9月以降の悪夢を、来季の糧にできるか。(中町顕吾)