50代になると脳の衰えを感じやすくなるもの。「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違いなど、知っておきたい認知症の知識や予防法をご紹介します。

誰もがなりうる認知症とは

患者数が増えている認知症とはどのような病気なのでしょうか。

記憶力などが低下する「認知症」

「認知症」とは、脳の病気や障害などが原因で記憶力・判断力などの認知機能が低下し、社会生活に支障をきたした状態のこと。認知症の症状は、「物忘れ」「時間・場所が分からなくなる」「理解力・判断力が低下する」などの中核症状と、「憂鬱でふさぎこむ」などの行動・心理症状に大別されます。

65歳以上の5人に1人がなると予測

厚生労働省によると、65歳以上の認知症の患者数は、2012年は462万人と、65歳以上の7人に1人でした。2025年には約700万人、65歳以上の5人に1人が認知症になると見込まれています。

参考サイト:高齢者の健康・福祉(内閣府ホームページ)

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認知症の見分け方はある?


認知症の特徴や見分け方はあるのでしょうか。

「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い

50代になると物忘れが増えてきますが、加齢による物忘れはいわゆる老化であり、誰にでもあるもので、認知症とは異なります。「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」には次のような違いがあります。

【加齢による物忘れ】
● 体験したことの一部を忘れる(例:昨日の夕飯のメニューを思い出せない)
● ヒントを与えられると思い出せる
● 物忘れを自覚している
● 日常生活に支障がない

【認知症による物忘れ】
●体験したことの全体を忘れる(例:昨日の夕飯を食べたかどうか思い出せない)
● ヒントを与えられても思い出せない
● 物忘れを自覚していない(初期には自覚していることが多い)
● 日常生活に支障がある

「認知症」と似ている「うつ病・うつ状態」

うつ病やうつ状態は高齢者だけでなく、働き盛りの世代にも多く見られます。うつ病・うつ状態になると、これまでできていたことができなくなるなど、認知症と似た症状が現れることがあります。また、うつ病・うつ状態と認知症が同じ人に現れることもあります。うつ病・うつ状態と認知症は区別が難しいこともあるので、心配なときは医療機関を受診しましょう。