音楽を倍速で聴いたら、「キャンキャン」した感じにならないか?
――職業別に調査した結果が興味深いです。若い学生が多いことは理解できますが、教職員が同じくらい突出して多いのはなぜでしょうか。
佐藤仁さん 「教養・学習・自己研鑽」をよく見る人が倍速視聴をする傾向があるとの結果も出ています。教員の方は授業準備やご自身での学習のために、倍速視聴で確認しているのかもしれません。
――「教養・学習・自己研鑽」や「アニメ」「ゲーム」などを見る人が倍速視聴をするのはなんとなくわかりますが、「音楽」や「映画」を見る時に倍速視聴するということが理解できません。
たとえば、クラシック音楽を1.5倍~2倍の速さで聴いたら、キャンキャンした感じになるでしょう? 映画だって、しんみりしたセリフが漫画っぽくなりませんか。音楽や映画じゃなくなると思いますが。スポーツもドタバタになってしまいます。
佐藤仁さん 音楽番組は、音楽以外の部分(解説者の解説など)を倍速視聴して、音楽の部分は倍速しないで視聴している、など使い分けているのかもしれません。また、映画やスポーツなどでは録画した番組を倍速視聴して「見たいシーンだけを通常再生」していることもあるかもしれません。
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脳の疲労を避けるためにも「夜寝る前は見ない」などマイルールを
――倍速視聴に関しては、精神科医や脳科学者から「映像が脳にどっと流入するため、脳が情報処理に追いつかなくなり、疲労する」と警鐘を鳴らす意見も出ています。
夜寝る前に動画視聴するという人が6割以上います。心配はないのでしょうか。「脳の疲労」を防ぐ方法があれば、アドバイスをお願いします。」
佐藤仁さん 倍速視聴と脳の疲労との関係は人によって異なると思いますが、睡眠への悪影響を避けるために「夜寝る前には動画を見ない。テレビを見ない」「夜に布団の中でスマホが気になってもチェックしないで寝る」といった自分だけの「マイルール」を作ってみるのがよいと思います。
YouTubeなどでは毎日のように大量に新しい動画が掲載されており、動画の数が多くなってきています。そのため今後も、倍速視聴をして動画を見る人は多くなっていくと想定されます。引き続き倍速視聴について調査していきたいと考えています。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)