5.築50年の住宅リフォームの注意点
築50年を超える築古物件は、部分的な補修ではなく、家全体を見直す必要があります。多額の費用も必要となるため、失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。
ホームインスペクションを受ける
自分たちで家を見ただけでは、どこにどう問題があるのかを見極めるのは困難です。プロにホームインスペクション(住宅診断)を依頼し、家の欠陥部分を調査してもらいましょう。ホームインスペクションの費用は、簡易的なもので5万~7万円、全体をしっかり見てもらう場合は10万~15万円ほどかかります。
予算には余裕をもって契約する
中古住宅のリフォームでは、壁や床を剥がしてはじめて欠陥部分が見つかるケースも少なくありません。着工後に見つかった欠陥部分は追加工事として請求されるため、予算に余裕を持っておきましょう。
施工業者を選ぶ際は、契約前に追加工事の扱いについて、ていねいに説明してくれる業者を選ぶことが重要です。
大規模なリフォームでは建築許可が下りるかどうか確認する(2025年より)
2025年4月には建築基準法の改正が予定されており、木造2階建ての大規模リフォームではこれまで不要だった建築確認申請が必要になります。
そのため、過去に法律を守らずリフォームしてきた住宅や、建てられた当時はOKだったものの今の基準にあわないような物件は、リフォームができない可能性があります。希望するリフォームができるかどうかは個々の状況により異なるため、リフォーム会社に相談してみることが重要です。
法改正でリフォームできなくなる?2025年建築基準法改正の影響
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6.築50年の住宅リフォームで使えるローンや補助金
築50年の住宅をリフォームするときに、使えるローンや補助金について解説します。
築50年の住宅リフォームで使えるローン
リフォーム費用は、「リフォームローン」や「住宅ローン」で調達できます。
有担保のリフォームローンや住宅ローンは金利が低いことがメリットですが、築50年の戸建て住宅は資産価値が低く、また新耐震基準に適応していないため、住宅を担保にするローンは審査が通りにくく難しいでしょう。持ち家のリフォームで所有者が高齢の場合、審査に通るのはさらに難易度が高いです。
そのため、築50年の住宅リフォームでは、リフォームローンを検討するのが一般的です。リフォームローンは住宅ローンよりも金利は高めですが、担保が不要な商品が多く、比較的借り入れしやすいことが特徴です。
ただし、リフォームローンは借入限度額が1,000万円程度、完済時年齢も80歳としているケースが少なくありません。そのため、不足額は自己資金が必要になる点は理解しておきましょう。
なお、実家のリフォームにかかる費用を子どもが借り入れる場合、一定額を超えると贈与税が発生するため、名義変更とあわせて検討が必要です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【同居・相続】実家のリフォームで検討したいことや費用相場。贈与税についても解説
あなたに最適なリフォームローンが選べる!金利・比較ポイントなど解説
補助金・助成金も活用しよう
中古住宅のリフォームにおいては、国や自治体の補助金制度を利用できる可能性があります。とくに、以下のようなリフォームは、補助金の対象になる可能性が高くなるでしょう。
断熱性能を高めるリフォーム
旧耐震基準で建てられた家の耐震性能を高めるリフォーム
また、居住者のなかに要介護・要支援の認定を受けた人がいる場合、介護保険も活用できます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説