シャープの公式Xが2024年10月2日、アカウント運営に関して、プロフィール文を更新したことを発表した。元々社員だった「中の人」が退職したことと、今後も同社から業務委託される形で運営を続けることが明かされている。
この体制にはどんな狙いがあるのか。シャープ(本社:大阪府堺市)に取材を申し込んだところ、「中の人」が経緯を説明した。
「継続してもらう方が効率がよい」
シャープ公式X(@SHARP_JP)は11年5月に開設された。企業アカウントの筆頭ともいえる存在で、いまや83万超のフォロワーがいる。親しみやすいような投稿内容から「シャープさん」とも呼ばれている。
プロフィール文が「2024年10月から、元社員の中の人が外の人として、シャープから業務を委託されて運営します」と更新され、「中の人」の退職が発表された。
この変化を知らせた投稿は1万6000件超の「いいね」を集め、Xでは、「外部になっても広報任されるのすごくない?」「どれだけ信頼されてるんだ」「これ程までの属人化(?)はそれまでの実績と信頼がないと出来ないよ」「SHARPさんの決断と、中の人の心意気すごい、、、」などと驚きが広がっている。
シャープ広報に取材を申し込んだところ、J-CASTニュースに対して10月4日、アカウント開設当初から「中の人」を担ってきた山本隆博氏から受け取ったとする回答を伝えた。
まず、公式Xの「中の人」退職に伴い、社内でアカウント運営業務を引き継がせず、継続して同じ人に任せると決めた理由・思いを尋ねると、下記のように説明があった。
「企業SNSアカウントの運営は、多くの人が想像するよりもずっと大変です。その仕事を社内のリソースで適切に振り分けるよりも、継続してもらう方が効率がよいとの判断に至りました。
またアカウントが従来より『会社とお客さんの中間に立った人間』が発信するというスタンスを確立していたため、運営者が社外にあってもそのコミュニケーションにさほど影響がないと考えたのも理由のひとつです」
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「社内の情報には適切にアクセスできる方法を準備」
「中の人」の立場が変わったことで今後の運営に支障はないのだろうか。例えば、「中の人」が社内の情報を拾いにくくなるのではといった懸念も考えられるが、どのように対応するのか。
「社内の情報には適切にアクセスできる方法を準備しています。また定期的に出社する日を設けるなど、従来行っていた社内コミュニケーションと遜色のないやり方を検討しております」
Xの反響は、次のように受け止めている。
「結果的に巨大なアカウントになったので、ある程度の反響は予想しておりましたが、応援や期待の声が寄せられるとは驚きです。また一般に、企業や製品の公式アカウントを社外の人、たとえばSNS運用を代行する会社や広告代理店が行うケースも珍しくはないので、反響を意外に感じている部分もあります」
また、「変わりない運営を心がけておりますので、お客さまやフォロワーのみなさまにおかれましては、引き続きよろしくおつきあいいただければ、と思っております」とも述べた。
山本氏をめぐっては、マンガ投稿・販売プラットフォームを運営する「コミチ」(東京都千代田区)の代表取締役・萬田大作氏が10月1日、Xでこのような近況を知らせていた。
「今日から、シャープの中の人こと”山本隆博さん”がコミチのCMO(マーケ責任者)としてジョイン!コミチのSNSが大幅に強化されます!これから”シャープさん”改め、”コミチさん”として、みなさま宜しくお願いします」