コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。
コンビニの人手不足は深刻だ。皆さんの利用している店舗でも外国人が働いている姿を見かけると思うが、今後もどんどん増加していくに違いない。
労働人口の減少以外にも理由があるはずだが、賃金が安いうえに業務が複雑化しており、カスハラ(客による迷惑行為や悪質なクレーム)も少なくない。若い女の子やおとなしい人はすぐに辞めてしまうので、筆者のような中年の経験者は重宝されるのだ。
そんな筆者でも「二度と来ないでくれ!」と思ってしまうこともある。今回は、店員から見た客の行動で少し困ってしまうケースについて書いていきたい。
◆混雑時にレジからどかない
現在はレジ袋が有料なので、商品を買った後にそのままサッと自分のカバンに入れてくれる人も多いが、たまに混雑時や後ろに人が並んでいるのにノンビリしている客がいる。
後ろに並んでいる人たちは明らかにイライラしていて、早く会計をしたいと思っている。あまりにもノンビリしている場合は「すいませんが、後ろの人が待っているのでもう少し端でやってもらえますか?」と声をかけるか、忙しい時には大きな声で「次の方、どうぞ!」と進めていくことがある。これはレジをスムーズに流すうえで大事なことだ。
いちばんありがたいのは、商品のスキャンを始めたら客が「もう入れていいですか?」と言ってマイバックに入れていき、全てのスキャンが終わった時点で商品は入れ終わっていることだ。
会計もバーコード決済かクレジット払いなどのキャッシュレスが早くてありがたい。
◆お札が小さく折りたたまれた状態
コンビニのレジでは、代行収納や支払い関係がかなり多い。買い物は一切せずに、それだけのために利用する人も。
高額の支払いの場合、正直疲れてしまう。間違えたらとんでもないことだからだ。
13万円の支払いなのに、わざと1万円少なくして渡してくる客もいるから警戒してしまう。
どうしても時間がかかるので、レジに列ができてしまう場合がある。なるべく時間を短縮するために、現金がトレイに置かれた時点ですぐに数えるようにしている。
財布のデザインにもよるのだろうが、お札が小さく折りたたまれた状態で出す客もいるのだが、本当に時間を浪費するので止めて欲しい。お札を開いて、ちゃんとした本物の紙幣か、破損や汚れがないのか確認しないといけないからだ。
ある日、暇な時間帯に若い女性客が代行収納をお願いしてきた。
今まで見たことない人だ。金額は2万4500円。筆者がトレイに置かれたお札を数え始めると、ムスッとしながら「あの〜、全部出すまでお札に触って欲しくないんですけど!」と言ってきた。彼女はお札を触って欲しくないようだが、そんなに他人と現金でやりとりするのが嫌だったら、クレジット決済やカード引き落としにすればいい。
彼女が帰った後、非常に気分が悪くなってしまった。
◆店内で意味不明なことを叫ぶ
コンビニにはいろんな客が来る。ほとんどが常識的でいい人なのだが、コンビニは敷居がゼロなので、店内がとんでもなくヤバそうな雰囲気になることも……。
警察を呼ぶこともあるし、出入り禁止を直接伝えることもあるが、注意できないパターンも。最近の出来事を紹介しよう。
おそらく30歳ぐらいの女性がコピー機を使っていた。見た目も「普通の人」である。筆者はレジにいたのだが、突然、女性の怒鳴り声が聞こえた。
「お前、なにコピーの邪魔してんだよ! ふざけんなよ! ここの店の人は色々厳しいんだから静かにしろよ!」
何事かと思って目をやると、アイス売り場にカップルが立っていて、その前に女性が立っていた。カップルはア然として、言葉も出ない様子だった。
どうやらカップルに絡んでいるようだが、筆者が店長といっしょに駆け寄って「どうして叫んでいるのですか?」と尋ねる。
「この2人がコピーを邪魔するんですよ! ここは店のスタッフが厳しいから静かにしないといけないのにねえ、そうですよねえ」
何を言っているのかサッパリわからない。カップルは恐怖で怯えているのか、オドオドしながら一言も発さない。言い返しても面倒になるのは確実なので、これは懸命な判断かもしれない。
そして女は、そのままコピー機に戻った。カップルに事情を聞くと、
「私たちはただアイスを選んでいただけなのに、いきなりあの女性が絡んできたんです」
カップルはレジでアイスを購入したが、筆者が「すいませんね、とんでもないことに巻き込まれましたね」と言うと、苦笑いしていた。
◆心の底から「二度と来ないでくれ!」
困ったのは、まだ女性がコピーしていることだ。ヤバいなあ。変な事件を起こさなければいいが、現状なにもできない状況。夕方で客が少ない時間帯だったのが不幸中の幸い。
女性は、一人でぶつぶつ言いながら何かの書類を大量にコピーしていた。正直、早く帰って欲しかった。
そこに50代ぐらいのサラリーマンの男性が店に入ってきて、コピー機の隣にある雑誌を読み始めた。案の定、女性が叫ぶ。
「こら〜、また私の仕事を邪魔したいのか! ふざけんな!」
男性は「参ったな』という表情を浮かべながらそそくさと店を出て行った。
完全に営業妨害である。しかし、その1分後に女性も店を出て行ってくれた。それ以来、姿を見ていないが、心の底から「二度と来ないでくれ!」と願っている。
<取材・文/浜カツトシ>