サラリーマンのままではお金持ちになれないとしたら、どうすればいいのでしょうか。『新版いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)の著者である坂下仁氏は、その解決策として、本業を続けながら副業としてプライベートカンパニーを設立し、妻を社長にする方法を提唱しています。今回は書籍より一部を抜粋・再編集し、坂下氏が自身の経験も交えながらサラリーマンがお金持ちになるための近道を解説します。

本業・副業の二刀流で「お金持ちへの道」を家族で目指す

法人(資本家)と個人(サラリーマン)では同じ1,000万円の稼ぎでも手取りに2倍の差がつきます。法人は800万ですが、サラリーマンは400万円です(前回コラム参照)。つまり、ただサラリーマンをやっているだけではお金持ちにはなれないということ。妻を社長に据えてプライベートカンパニーを作り、副収入を得つつ節税メリットを享受することがお金持ちになるための近道です。

サラリーマンがお金持ちになる最初のステップは、本業と副業の両立から始まります。副業で得られる収入は、最初のうちはわずかですから、税金がかかりません。この副業ビジネスを少しずつ育てると、うまくいけば3~5年で本業の収入を上回るレベルに到達できます。

副収入が本業の収入を上回っても、私は本業・副業の二刀流の維持を強くお勧めします。なぜなら、両輪で走り続けることが互いに相乗効果を生み出すことがわかっているからです。ただし、本業が肌に合わない人、ブラック企業などにお勤めの人などは、独立も視野に入ります。メガバンクに勤めていた私の場合も、顧客を踏み台にして儲ける銀行のスタンスを理不尽だと感じたので、50歳のときに独立しました。

会社を辞めると給料が途絶え、家計が苦しくなると思われるかもしれませんが、実際は逆です。プライベートカンパニー(法人)があれば自宅がオフィスを兼ねた社宅になり、家計からの支出が半分以下に減るからです。仕事をするうえで必要な通信費や旅費などは経費にできるので、家計からの出費は食費と被服費くらいのもの。それくらいなら、私と妻がプライベートカンパニーから受け取る給料で十分です。

プライベートカンパニーで稼げれば、トータルの収入は減りません。所得税や住民税、社会保険料が減るので、私の場合、手取りはむしろ増えました。税金が減ると児童手当などさまざまな給付金をもらえるし、幼稚園などの利用料も優遇され、支出はぐっと小さくなります。いえ、逆に支出の一部が未来の収入の種になるので、お金を使えば使うほど収入が増えるのです。

コロナ禍という非常事態さえも味方につけました。プライベートカンパニーは中小法人なので、1社あたり200万円の給付金を受け取れたのです。個人への給付金が10万円だったことに比べれば、法人(資本家)がいかに優遇されているかがわかります。

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時間が増えて、人生が自分のものになる

お金だけではありません。時間が増えて、人生が自分のものになりました。自分と家族のため、自分が正しいと信じることのために、時間を使えるようになったのです。通勤がなくなったので、家族との時間が増えました。

平日の混んでいない時間帯に遊びに行ける。妻と近所を散策しながら、季節の草花を楽しめる。ベランダで日向ぼっこしながら景色を楽しめる。お金の心配がなくなると、平凡な日常を楽しむゆとりが生まれます。

私も妻も旅行好きなのですが、好きなときに好きな場所へと気ままな旅を楽しんでいます。日常の小さな幸せから旅先でのワクワク体験に至るまで、最愛の家族と感動を共有しながら心を通わせる。その一瞬一瞬が、1万枚以上の写真に姿を変えて思い出と感動と一緒に保存され、眺めるたびに幸せな気持ちに浸れるのです。

プライベートカンパニーでは、サラリーマン時代の「やらされ仕事」と違い、正しいと信じる仕事しかやりません。「稼げるライフワーク」を仕事にするので、趣味を楽しみながらお金をもらうようなものです。お金の不安がない幸せを実感しながら、思い描いた夢を叶えるのです。遠回りしましたが、やっと「自分の本当の人生」を取り戻せた気分です。

セミリタイア後はともかく、現役時代は時間も足りないし、体力も続かないので、自分にはムリと思われた人もいるかもしれません。だからこそ、自分一人で抱え込まずに、妻や子どもや親兄弟を巻き込むのです。

大切なのは家族で一緒に準備することであって、自分一人で抱え込んで努力することではありません。まずは手始めに、これまで信じてきたお金の常識をすべて捨て去りましょう。お金持ちへの道のりは、鎧のように身にまとった常識を捨て去って、非常識を受け入れることから始まるのです。

坂下仁

お金のソムリエ協会会長

※本記事は『新版いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。このメソッドによる結果に編集部は一切責任を負いません。自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。