民事執行法の改正の影響
民事執行法が改正されたことにより、養育費を支払わなかったときの「取り立て」が容易になっています。裁判所で財産開示手続が行われる際、正当な理由なく出頭しなかったり虚偽を述べたりすると罰則が適用されるようになりました。
また、「第三者からの情報取得手続き」を利用すると、勤務先や金融機関口座などの情報を入手できる可能性があります。なお、民法改正により成年年齢が18歳に引き下げられましたが、養育費は変わらず未成熟子に対して支払うべきとする考え方が優勢であり、成年年齢引き下げにより一律に満18歳で打ち切られるものではありません。
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収入の変化…減額が認められるケースと認められないケース
相手の収入が大きく増えた場合
再婚をしたかどうかに関わらず、養育費の取り決め後に子どもの親権者である元配偶者の収入が大きく増えた場合には、養育費の減額が認められる可能性があります。たとえば、元配偶者が転職をしたり独立したりして、収入が大きく増えた場合などです。
自分の収入が大きく減った場合
再婚をしたかどうかにかかわらず、養育費を支払っている側の収入が大きく減った場合には、養育費の減額が認められる可能性があります。ただし、次で解説するように、収入が減った理由によっては養育費の減額ができない場合もあります。
収入は減ったが自己都合である場合
養育費の支払い義務者の収入が減ったものの、収入の減少が自己都合である場合には、養育費の減額は認められない可能性が高いでしょう。
自己都合による収入減とは、たとえば勤務していた企業を自己都合で退職した場合などです。また、支払い義務者が会社経営者で自分の給与を自分で決めている場合などにおいて、養育費を引き下げる目的などで自分への給与支給額を大きく減らした場合などにも、養育費の減額は困難でしょう。