きっと誰かが喜んでくれる。
そのイメージがつかめた時、進むべき方向が見えてくる
西島 難しいですよね。自分でも、うまくいく時といかない時があって、未だに正解は見つかっていません。それでも「こういう方々がきっと作品を見てくださる」「喜んでもらえるかもしれない」とイメージができると、向かう方向性が見えたりもするんですが。
三谷 僕は、それは得意。仕事なら、僕にその仕事をオファーしてくれた人に応えるのが目標だし、作品のために集まってくれたキャストやスタッフの期待に応えるのが自分のテーマになる。自分のしたいことと、ほぼイコールなんですよ。人に尽くすためだけに生きていると言ってもいいくらい……とにかく、嫌われたくないので!
長澤・西島 アハハハ!
三谷 皆が喜んでいると僕も嬉しいし、「この人、こんな表情をするんだ」「こんなことを言うと面白いんだ」というふうに、プレゼントをいただける俳優の方々と出会えるのが、僕にとっての幸せな現場。今回も、まさにそういう時間を過ごせました。それがいい形で、次につながるといいなと思っています。
〔 映画 〕
『スオミの話をしよう』
いつだって誰かのために生きてきた――行方不明になった詩人の妻は、かつて4人の男の妻でもあった。戸惑う夫たちが辿り着いた彼女の真の姿とは? 「舞台のような映画を」という三谷さんの熱望で、映像では異例の1か月にわたるリハーサルを敢行。出演者一丸となって繰り広げる緊密な台詞劇の結末には、華麗なミュージカルシーンも。
脚本・監督:三谷幸喜
出演:長澤まさみ 西島秀俊 松坂桃李
瀬戸康史 遠藤憲一 小林 隆 坂東彌十郎 ほか
全国公開中
©2024「スオミの話をしよう」製作委員会
脚本家・映画監督
三谷幸喜
1961年生まれ。’83年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成以降、数々の作品を手がける。近作は舞台『オデッサ』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、映画『記憶にございません!』。
俳優・長澤まさみ
1987年生まれ。2000年の映画『クロスファイア』で俳優デビュー。最近の出演作に舞台『正三角関係』、ドラマ『エルピス−希望、あるいは災い−』、映画『シン・ウルトラマン』などがある。
俳優・西島秀俊
1971年生まれ。90年代より映像作品を中心に出演。最近の出演作に映画『首』『グッバイ・クルエル・ワールド』、ドラマ『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』、AppleTV+配信『サニー』など。
撮影/久富健太郎 スタイリング/中川原寛(CaNN/三谷さん),山田陵太(長澤さん),カワサキタカフミ(西島さん) ヘアメイク/たつみめぐみ(三谷さん),高村三花子(長澤さん),亀田雅(西島さん)
大人のおしゃれ手帖2024年10月号より抜粋
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