管理職になるとグ~ンと待遇が上がる、さまざまなシステム

――なるほど。ところで外資系は管理職になると、待遇がグンとアップするといわれますが、上位にランクインした日本企業も待遇の良さが大きな魅力になっているのですか。

広報担当者 職務に対する正当な報酬は管理職にとって重要なポイントです。一般的に、管理職昇進を希望しない背景に「給与が割に合わない」といった声があります。自社を「おすすめできる」と評価した企業のクチコミからは、報酬や給与への納得感と満足度が伝わってきます。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン「基本給+インセンティブ+RSUの構成。インセンティブは基本給の54%が達成度によって支給される。マネージャーになると割合が67%になる。これに加えてRSU支給(会社の株式を報酬として付与する仕組み)と、特定の契約や商品を売った場合のスポットでのインセンティブが支給される」(シニアアカウントマネージャー、男性)

三菱商事「総合職は新卒入社するとスタッフ職からスタートし、ほぼ同年代同時期に管理職(プロフェッショナル職)になれる。管理職になった段階で月給、賞与が1.5倍くらいに上がる。賞与は年2回支給で、夏のボーナスは基本賞与に加えて業績連動ボーナス、個人の成績加算金が加算される。後者2つによるボーナスの個人差は大きい」(マネージャー、女性)

野村不動産「十分すぎるくらいもらえています。賞与は年2回査定により、またポストか否かによって金額に差が出ます。他の会社よりもボーナスの比率は高めかと。月給については、年に1回査定により上がる人と上がらない人に分かれます。給与は、ポストかどうかは関係なく、資格等級によりベース金額が異なります」(部長、男性)

クイック「かなり高いほうだと感じる。給与に文句を言っている社員をみたことはない。ベース給も高いが、インセンティブで同期や同じ役職の人でも大きく年収に差がつく印象」(リーダー、女性)

――上位12社のうちに総合商社が4社もランクインしていますね。管理職にも評価が高い総合商社の強みとは何なのでしょうか。

広報担当者 総合商社のクチコミからは、やはり高年収・高待遇について高く評価されていることがうかがえました。

年功序列は残るものの、「仕事のアサインメントや異動にあたっては実力が反映され、その結果長期的に待遇に返ってくるイメージ」(三菱商事)、「著しく能力に秀でた若手をマネージャークラスまで引き上げる施策も開始予定であり、若手はモチベートされている部分もあると感じる」(三井物産)などのクチコミが寄せられています。

若手であっても実力ある社員が抜擢される機会があり、その成果が待遇に反映されることへの評価と考えられます。

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悩んだときに立ち返る企業の指針と理念が、上司と部下を助ける

――今回の調査で特に強調したいことがありますか。

広報担当者 上位2社のクチコミに見られた「行動指針の浸透度の高さ」はやはり印象的でした。世界的な有名企業でありながら、徹底的に行動指針や理念を浸透させようとする愚直さを感じ取ることができます。これは管理職以外の社員から寄せられたクチコミからも見てとることできます。

たとえば――。「OLP(Our Leadership Principles)に従って行動することに重きを置いており、採用時はもちろん、人事評価でもOLPに従って評価される。そのため社員の目指す方向が同じであるため、社内コミュニケーションがスムーズである印象である」(アマゾン)、「個々で企業文化を認識、理解しながら互いに振舞えていると感じられる場面が多い」(マイクロソフト)といった投稿が見られます。

悩んだときに立ち返ることができる指針や企業理念が形骸化せず、社員にしっかりと根付いているからこそ、上司と部下の齟齬(そご)がなくなり、同じバリューが共有できるのではないかと感じました。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)