40代で気づいた「実は持っていなくても問題なかったモノ」3つ。掃除もしやすくなった

 はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。ミニマリストの阪口ゆうこ(@sakaguchiyuko___)です。


 生まれてからずっと、ものにまみれた「カオス」な暮らしをしてきました。20代前半で結婚、出産し、カオスな暮らしに磨きがかかったある日、家族の不仲をキッカケに「モノのお減らし」で一発逆転の人生を手に入れました。不要なものを持たない、足るを知る、小さく暮らす気持ちよさを知ってしまってからというもの、家は無双状態。悩みなし。

 ついでに「怒りの感情」までも捨ててしまったらしく24時間ヘラヘラして暮らしています。それに伴い、家族の関係にも悩まなくなりました。そんな私の暮らしを、どうか生ぬるい目で見てほしい。

◆40過ぎて「折り返し」を感じた

 40歳を過ぎたあたりから「人生の折り返し」がやってきたという自覚がある。というのも、感覚的ではなく物理的に変わってきたのだ。

 まずは、信じられないくらい疲れが取れにくくなった。酒飲み仲間と宴をして睡眠時間が削られると、翌日がなくなった。ドブ化した胃をさすって唸りながら、横になって過ごすことが確実に増えた。

 他には、体力がなくなった。たくさん動く予定が近づくだけで、魂が出そうなくらい深いため息が止まらなくなり、スーパー億劫になるようになった。食が細くなった。カルビはヤングが食べるものだと知った。最近はハラミしか入らない。

 肌のハリが明らかに落ちた。私が常に笑顔なのはご機嫌だからではない。ほうれい線を隠すためだ。寒い日にうっすら関節痛が出てきた。痛い。ゆるやかな衰退を確認しながらも、人生の後半戦は続く。

◆唯一褒めてやりたいこと


 そんな40代、唯一自分を褒めてやりたいことがある。保有する持ち物が少ないということだ。不要なものは持たず、好きなものだけを持つことをモットーに生きている。

 そんなものが少ない暮らしがしたいと思い始めたのは、30代のこと。今回は「持たなくても問題がなかったもの」を紹介したいと思う。

◆1:家電の炊飯器は持たない

 お米は炊飯器で炊くものと思ってる方がたくさんいるけど、炊飯器に限ることはない。私も長年そうだった。育ちの良さからか、とっても素直に「お米を炊く=家電で」というものだと思っていた。しかし心のどこかで、炊飯器の汎用性の低さが気になっていた。

 炊飯器は「炊飯のためのメカ」なのだ。最近では炊飯器でカレーを作ったり肉じゃがを作ったりというアイデアをSNSで見かけるが、「炊飯器でカレー作ったらお米のほうどうすんのさ。鍋でお米を炊けるならソレ要らないやん」と、思っている。

◆お米の炊き方は超簡単


お米と水を計量して鍋に入れて火にかける、強火で沸騰したら弱火に。お鍋でもフライパンでも、お米の炊き方はざっくりと説明するとこれだけだ。炊飯器にお任せの方には「そんなに簡単なの?」と、びっくりされることも多い。

 お米を洗って適当に水を入れて、強めの火で5分炊く。


 沸騰したら弱火で10分。こちらで完成。このとおり、炊飯器の早炊きコースよりも早い。さらに美味しく炊こうと思ったら、最低でも30分は浸水させる、加熱終了後も蒸らしの時間をおく、この2つをすればよい。……と、そこらじゅうで聞く。しかし、私の舌がバカなのか、なんでも美味しく感じるめでたい性格だからか、はたまた両方なのか。いや、多分両方か。とにかく、私はそこまで大きな違いがわからない。とにかく毎日15分程度でお米を炊いている。


 食洗機で洗える鍋でサッサと炊けるほうに慣れてしまうと、パーツが多く手洗いを要する炊飯器で炊くことが億劫になってしまった。内蓋を洗って、パッキンを外して、カピカピになった周りも拭いて……。今も思い出せば面倒臭い気持ちが蘇って、自然と遠い目になってしまう……。

 家電が減るメリットは、とにかくスペースがスッキリする、面倒臭いメンテナンスが減る。そして、どんなお鍋でもフライパンでもお米が炊けるというのは、持っていて損のないスキルだ。

◆シンク周りの三角コーナーや洗い桶や水切りカゴ

 フツーに「嫌だなぁ」と思いながらいつも扱っていたのは、キッチンシンクの中に巣食う、生ごみを受ける三角コーナーと、汚れた食器を水に漬けておいたり布巾を水で洗ったり漂白の際に使う洗い桶。そして、洗い終わった食器や鍋を受ける水切りカゴ。

 なんの義理も恩もないので、はっきり言わせてもらうが、上記のシンク周り3点がなくなると、この上なく清々した。

◆家にあるもので充分間に合う


 汚れた食器類の中でいちばん大きな器やお鍋に、入れ子スタイルで食器を重ね入れれば洗い桶はいらない。キッチンの布巾の漂白は洗い桶でなくてもボウルでできる、洗面所でもできる。

 水切りカゴはタオルで充分。食器を収納に戻したらタオルは洗濯機へ。水切りカゴは管理を怠って水垢を作っていたけど、タオルにしてからは美しさを感じるほどストレスがなくなった。


 そして、三角コーナーは排水受け皿に受けてもらう。ちなみに、排水受け皿は食事のたびに食洗機で洗うことにしている。使い始めに「清潔でキレイなもの」とカウントすることで、家族全員で排水受け皿を清潔に保つことが当たり前になった。三角コーナーだと、こうはいかなったと思う。


 このように、家にあるもので充分間に合う。そして、必要なものだけが置いてある水回りは、とんでもなく掃除がしやすいのだ。使い捨てのキッチンタオルで豪華にシンク周りを水拭きして、シンク内は中性洗剤を少量つけて泡で洗う。

 これがほぼ毎日できている事実には、震えが止まらない。小学校時代に宿題も時間割の準備もろくにしなかった私が、掃除を毎日できているなんて快挙でしかないのだ。


 とにかく、ものが少ないシンク周りに慣れてしまうとメリットしかなくて、ものを置いていた頃には戻れない。

◆お客様用の布団

 予備の布団セットをお持ちの家は少なくない。予備を持つ理由で多いのが、「急なお泊まりのお客様があるかもしれないから」。

 我が家の暮らしに偏りがあるのかもしれないが、これまでたくさんの方を家に招いた中で、急に「今日泊まっていく」などと言い出した人はひとりもいない。そして、一度も経験はないが断言できる。絶対に断る。断る上に、ちょっと付き合い方を考えさせてもらうと思う。

◆泊まり客はある

 前もってお泊まりがあると予定していれば、布団はレンタルすることにしている。ネットで調べると、遠方であっても布団一式を借りることができるサービスは増えている。

 これまで、義母や子どもたちの友だち、夫や私の遠方に住む友だちなど、我が家にはたくさんのゲストが泊まったが、全員レンタル布団を利用した。年に数回程度なら、保有するより借りたほうが楽だ。というのも、借りた布団なら面倒臭い管理はいらない。

 使う前に干しておいたり、使い終わった後に晴れの日を待って、シーツを剥がして洗濯したり、収納に片付ける前に布団を干したりがまるまる要らないのだ。そして収納スペースの大部分を奪われることもない。保有しないことで、目に見えないストレスもなくなった。

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 家電の炊飯器、シンク周りのアイテム、お客様用の布団を今回は紹介させてもらった。その他にもまだまだ「持たなくても問題なかった」というものはたくさんある。しかし、「あくまで筆者の暮らしの中では」という話だ。それを持つことで暮らしがスムーズならば、手放しを検討する必要はない。

 持っているだけで何も意味を持たないものがあるのなら見直しをするのがいい。そして、これからの人生の要不要を見極める力をつけると、もっと身軽な人生になるのではないかと、未来への期待が止まらない。

<TEXT/阪口ゆうこ>

【阪口ゆうこ】

1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___