雨漏りは放置すると家全体に深刻なダメージを与えることがありますが、対応方法に悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、雨漏り修理を自分でできるのか、原因別の修理費用や火災保険の適用条件、さらに業者選びのポイントまで詳しく解説します。

はじめて雨漏りを経験した方でも安心して対処できる情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

1.雨漏りの修理は自分でできる?

雨漏りは早めに修理すべきですが、DIYはおすすめできません。その理由は、雨漏りの原因の特定が難しく、修理にも技術が必要だからです。

屋根が原因かと思った雨漏りも、実は屋根だけでなく壁の亀裂も関係しているなど、複数の要因が絡んでいることも。

また、雨漏りではなく、劣化した水道管から漏水している場合もあります。深い専門知識がないと、正確に原因を特定するのは難しいでしょう。

また雨漏りしている場所によって、適切な修理方法が異なるため、間違った手順や材料を使用することで、かえって雨漏りがひどくなる可能性もあります。

屋根などの高所作業は危険を伴うこともあり、安全面や費用面を考えるとプロに依頼するのがベストです。

したがって、DIYはおすすめできませんが、応急処置ならできます。雨漏りの程度によって対応が異なるため、ここでは2つの方法を紹介します。

天井や壁に雨染みがある場合

天井や壁が湿ったようなシミは、雨漏りのサインかもしれません。様子を見ながら、修理・点検を依頼する業者探しをはじめましょう。

手の届く場所であれば、雨染みのサイズを測っておくのもおすすめです。その後、大雨のときにサイズが大きくなれば、雨漏りの可能性が高いと判断できるので、早めに業者に相談できます。

ゲリラ豪雨など横殴りの雨のときは、いつもと違う場所から水が入って、一時的な雨染みができることも。定期的に水が入ってこなければ、時間とともに雨水も乾くので大事になる心配も少ないのですが、一時的な雨染みかどうかの判断は難しいので、早めに業者に相談しましょう。

天井からポタポタと水が落ちてきている場合

天井から水が落ちてくる場合、早急な対処が必要です。

まずは、バケツなどを置いて、周囲に水が広がらないようにしましょう。同時に、落ちてくる水が床に飛散しないよう、タオルやブルーシートなどを敷いておくと安心です。

雨の侵入箇所を正確に特定するのは難しいですが、応急処置として広範囲にブルーシートをかけておくことも。外壁のひび割れや穴など雨水の侵入経路が特定できる場合は、防水テープなどでふさぐ応急処置もあります。

ただし、屋根や外壁の高いところの応急処置は、自分で行うと転落の危険があるため、避けたほうがよいでしょう。

また、天井から落ちてくる水を止めるために、防水テープなどで塞ぐのはおすすめできません。水が天井裏に溜まることで、かえって建物を傷める原因となってしまいます。

応急処置ができたら、業者を探して見積もりを取ります。

(広告の後にも続きます)

2.雨漏りの修理費用は?原因別にご紹介

雨漏り修理で気掛かりなのが、修理費用です。ここでは雨漏りの原因別に修理費用を紹介します。

原因1. 屋根の破損・劣化|5千円〜200万円

雨漏りの原因箇所として多いのが、屋根です。劣化によりひび割れる、瓦がずれる、台風で飛ぶなどが原因で雨漏りします。

【屋根の修理にかかる費用】

内容

費用

スレートの一部交換

5千円~3万円/枚

+足場代:

15~20万円

+天井の補修:

10万円

瓦の一部交換

5~15万円/枚

屋根の葺き替え

90~200万円

※葺き替えは30坪を想定

瓦やスレートの部分的な交換で済む場合、修理費用はスレートが1枚約5千円~3万円、瓦は1枚約5~15万円程度です。ただし、どちらも足場を組む必要がある場合、約15~20万円程度の足場代が必要になります。

屋根の劣化が進んでおり、葺き替えが必要となった場合は、修理費用は約90~200万円と高額になります。また、雨漏り箇所の天井クロス、下地の石膏ボードの張り替え費用として、追加で約10万円前後必要です。

原因2. 防水の破損・劣化|10〜30万円

ベランダや屋上の防水の破損や劣化による雨漏りも、非常に多いものです。屋根のように勾配がほとんどないため、少しの雨でも水が浸入してきます。

【防水の修理にかかる費用】

内容

費用

シート防水

7~9万円

ウレタン防水

8~10万円

アスファルト防水

20~30万円

FRP防水

10~15万円

※ベランダの広さは4㎡を想定

修理するには防水加工を再度施す必要があり、一般的なベランダ(4㎡程度)を補修する費用は約10~30万円になります。

なお、防水加工の種類によって費用が異なるため、詳しくは業者に相談してみましょう。屋上など広い箇所の補修は、それ以上の費用が必要です。

▼防水加工の詳しい情報はコチラの記事がおすすめです。

ベランダ防水の種類や費用、寿命、DIYができるかを解説!

原因3. 外壁の破損・劣化|〜50万円

雨漏りは建物の上から雨水が浸入するだけでなく、外壁が原因となることも。外壁のひび割れや、コーキングが劣化した箇所から雨が侵入してきます。

【外壁の修理にかかる費用】

内容

費用

コーキング打ち直し

900~1200円/m

+足場代:

10~20万円

外壁の一部張り替え

10~50万円

簡易的な修理ですむ場合、コーキングで外壁のひび割れを埋めたり、劣化したコーキングの打ち直しをしたりするため、修理費用は1mあたり約900~1200円。2階以上の場合は、足場代がかかることもあります。

外壁材の劣化が進み、一部張り替えが必要になると、約10~50万円の修理費用が必要です。

ただし専門知識を持たない方が、部分的な張り替えで済むかどうか判断するのは難しいため、プロに現場調査をしてもらった上で、施工プランを検討しましょう。

原因4. 窓枠・サッシの劣化|1〜50万円

窓枠が劣化してくると、サッシの隙間から雨漏りすることがあります。

【窓枠・サッシの修理にかかる費用】

内容

費用

コーキング補修

1~5万円

窓枠の補修

3~25万円

サッシの交換

~50万円

隙間を埋めるだけのコーキング補修であれば約1~5万円、窓枠の補修も含むのであれば約3~25万円で修理が可能です。

ただし、根本的な解決のためにはサッシ全体を取り替える必要があり、その場合の費用は1箇所あたり最大50万円前後かかります。

原因5. 雨樋の劣化|1〜50万円

雨樋とは、屋根を流れる雨水を集めて、地上へと排水するための部材のこと。

雨樋の詰まりや破損は雨漏りの直接的な原因にはなりませんが、正常に雨水が流れなくなるとオーバーフローを起こします。

溢れ出た雨水は外壁を伝い、ひび割れた部分から侵入し雨漏りに繋がる可能性があるのです。

【雨樋の修理にかかる費用】

内容

費用

雨樋の部分交換

1~3万円/箇所

+足場代:

15~20万円

雨樋の全体交換

30~50万円

※30坪を想定

雨樋の一部が破損している場合、部分交換には約1~3万円必要になります。全体を交換するのであれば、約30~50万円の費用が必要です。

平屋以外は高所作業を伴うため、基本的に足場代がかかります。