プロ野球楽天の初代監督で野球解説者の田尾安志氏(70)が2024年10月10日にユーチューブを更新し、楽天・今江敏晃監督(41)の解任報道に私見を述べた。

後任は20年に1軍監督を務めた三木肇2軍監督

今江監督は今シーズンからチームを指揮。セ・パ交流戦で球団史上初となる優勝を果たし、シーズン終盤までロッテとクライマックスシリーズ(CS)進出争いを繰り広げた。

結局、リーグ戦は4位に終わり、CS進出を逃した。今シーズンの全日程が終了した9日に、スポーツ紙などのメディアが一斉に、楽天が今江監督に来シーズンの続投を要請しない方向であると報じ、球団は11日に今江監督との契約を解除したことを発表した。

後任は20年に1軍監督を務めた三木肇2軍監督(47)が就任。今江監督は2年契約の1年目での解任となった。

05年に楽天の初代監督に就任した田尾氏。1年目のシーズンは38勝97敗1分けと、大きく負け越しリーグ最下位に終わり、オフに解任された。田尾氏によると、当時、球団と3年契約を結んでいたという。

田尾氏は自らの経験を踏まえ、「これはまたやっちゃったかという、本当に残念なできごと」と率直に語り、今江監督の今シーズンを高く評価した。

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「野球人として納得がいかない」

「最終的には4位。クライマックス(シリーズ)には出られませんでしたが、あの戦力でやれることをしっかりやった結果だと思います。交流戦も優勝した。今までできなかったことを今江監督のもとで達成した。これも非常に明るい材料だったと思います。そんな監督をまた1年でクビにするのかと。残念でしかたがない」

楽天は05年の球団創設から24年シーズンまでの間に10人の監督がチームを指揮し、そのうち6人が1年で球団を去った。田尾氏もそのひとりで、当時を振り返りながら、こう怒りを示した。

「むげにこういうような形で監督という立場の人間をこう簡単に代えてしまうのかという。野球人として納得がいかない。20年経ってやっていることが1年目とあまり変わらないなと。そういうことをみたときに、ちょっと過激かもしれませんが、『親会社変わってくれないかな』という気持ちになってしまう。多分これから先もあまりシステムは変わらないと思います。結局、球団のフロントがいろいろ言っても、オーナーの一言で決まってしまう。そういう組織だということが、この20年ではっきり見えてきた」

今江監督の後任として就任した三木監督は20年シーズンにチームを指揮し、リーグ4位だった。楽天は3年連続でCS進出を逃しており、新体制となる来シーズンは巻き返しに期待がかかる。