3.家族を扶養に入れる手続き
ここからは、実際に家族を扶養に入れるために必要な手続きを紹介します。
社会保険上の手続き
家族を社会保険(健康保険、国民年金)の被扶養者にするには、「被扶養者(異動)届」に記入し、被保険者(扶養者)の勤務先に提出します。勤務先を通じて加入先の保険組合に提出され、被扶養者の認定を受けます。
加入している保険組合によっては被扶養者との続柄、収入、仕送り額などを証明する書類の提出を求められる場合もありますので、一度勤務先の担当部門に確認すると良いでしょう。
なお、社会保険の手続きは結婚や出産などにより加入する家族が増えた場合、5日以内に必要書類を提出する必要があります(扶養から抜ける場合も同様)。期間が短いので注意してください。
税制上の手続き
税制上の扶養親族にする手続きは、会社員(給与所得者)か個人事業主かによって異なります。
・会社員の場合
結婚や就職などによって扶養する家族に変更があった際には、その都度勤務先を通じて「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」を提出する必要があります。また、年末調整でも同書類を提出することで、最終的に支払う税金の額が決定します。会社によっては、各種手続きを書類ではなくシステム上でおこなうこともあります。
・個人事業主の場合
年末調整がない個人事業主などは、確定申告で手続きをおこないます。確定申告書内にある「配偶者や親族に関する事項」欄に、扶養に入れる家族の名前や続柄などを記入して申告します。
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4.よくある質問
Q.扶養家族に入れるのは年収いくらまでですか?
A.扶養家族に入れる年収の上限額は、税制または社会保険などの制度や各種条件によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。
住民税…100万円まで所得税…103万円まで配偶者控除…103万円まで配偶者特別控除…201万円まで社会保険…130万円まで
Q.共働きの場合、子どもは夫婦どちらの扶養に入れると得ですか?
A.共働き家庭の子どもを扶養に入れる場合、一般的に収入の多いほうの扶養に入ると得になりやすいといわれています。
社会保険上では、収入の多い納税者の扶養に入れることが原則です。ただし夫婦の収入差が1割以内の場合はどちらの扶養に入れるかを選択できます。
税制上は、扶養控除の対象となる16歳以上の子どもを夫婦どちらの扶養に入れるかは自由に選択できます。所得税は所得が増えるほど税率が高くなるため、収入の多い人の扶養に入れたほうが控除額が大きくなり節税効果も高くなりやすいです。ただし税制上の扶養は夫婦の収入や子どもの人数、住んでいる自治体の税率によっても変わります。
Q.扶養家族手当はいくら支給されますか?
A.扶養手当や家族手当は公的な制度ではなく、会社が独自に設ける福利厚生の一種です。支給額や支給条件などは職場によって異なりますので、勤め先の就業規則などで確認しましょう。
詳しくはこちらで解説
>扶養手当・家族手当とは? 金額の相場や支給の条件、所得制限などを一挙解説!
Q.履歴書内に書く扶養家族数とは何ですか?
A.履歴書には「扶養家族数」の記入欄が設けられていることがあります。会社は従業員の家族構成を踏まえて給与の所得税の計算や健康保険の手続きをおこなうため、事前に確認する目的があります。
履歴書の扶養家族数では、社会保険上の扶養家族の人数を記載するのが一般的です。社会保険上の扶養家族には配偶者を含みますが、履歴書に「扶養家族数(配偶者を除く)」と書かれている場合は、配偶者を除いた人数を記載しましょう。