スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は意外と知らないことが多いですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。前回の作るのが難しいスイーツに続いて、今回は「マカロン作りは難しい」説について、大澤シェフに聞いてみました。

特殊な技術が必要なマカロン作り!

「マカロンがほかのスイーツよりも突出して難しいかどうかは、前回お話ししたように作る人の思いや手間のかかる工程を大変だと思うのかどうかによって違ってきます。でも、マカロンに関して1つだけ言えることは、マカロンを作るには特別な技術が必要なんです」と大澤シェフ。

特別な技術!?…。

マカロンといえば、カラフルで愛らしいフォルムが人気のスイーツ。サクッとした表面の食感と生地の甘さに加え、サンドしたガナッシュやジャムの甘さがさらに加わって、見てもきれい、食べても美味しい。

でも、そのシンプルな見た目とは裏腹に、とても手の込んだ繊細なスイーツでもあるようです。

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マカロン作りの要、マカロナージュ!?

「マカロンづくりの要は見極めなんです」と大澤シェフ。

「マカロンはメレンゲをしっかり泡立ててそこに砂糖、アーモンドプードル(パウダー)を混ぜて生地を作ります。生地を混ぜ込んでその固さ調整するのですがそこが難しいのです。

この作業を『マカロナージュ』と言います。一般に混ぜ合わせていく作業はメランジュと呼ばれているんですが、同じ作業であってもマカロンを作るときだけは『マカロナージュ』という言葉が使われます」

マカロナージュとは、マカロンを作るときにだけ使われる言葉なのだそう。

「生地が膨らむのは、中に気泡が入っているからなのですが、マカロナージュはこの気泡を小さく潰しながら均一化していく作業なんです。その加減をどこで見極めるのか。そこが難しい。気泡が均一化して乾燥させることで初めて、あのつるんとした表面の質感が得られるのです」