自分を変えたいと思っても、なかなか難しいですよね。漫画家のコハラモトシ氏は著書『一人反省会をして、いつも落ち込んでしまう人へ』でそんな人へのアドバイスを伝授しています。一体どんなものがあるのでしょうか? 一部をご紹介します。
漫画:コハラモトシ
メンタルが弱い自分を変える2つの方法
●1強くするのではなく、〝スキル〞を身につける!
●2弱ってしまった原因をなんとかする!
「メンタルを強くしたい」と思った時に、どんな攻撃を受けても傷つかない〝鋼〞のようなメンタルをイメージしていませんか? 昔のぼくは、そうでした。でも、いくら鋼のメンタルでも、傷つかないことはないので限界がきます。少しの傷でも、それが数千もの数になれば、かなりのダメージが蓄積するし、何かのキッカケでポッキリ折れちゃうこともあります。
折れたメンタルを元に戻すことは難しく、さらに折れやすくなるかもしれません。だから、「メンタルを強くする」のではなく、〝水〞のように「どんな攻撃も受け流し、状況に応じて形を変える」という心構えをオススメします。
悪口をいわれても耐えるような防御力を高めるのではなく、それを受け入れないような、〝スルースキル〞を身につけるイメージですね。そう考えると、メンタルが強い人は、どんな攻撃も耐えられる〝防御力の高いメンタル〞ではなく、どんな攻撃も避けられる〝回避力の高いメンタル〞かもしれません。それが結果的に、「強い」ととらえられるのだと思います。
いきなりメンタルが変わることはないので、まずはイメージや心構えを変えることからはじめてみてください。ぼくは、そうして考え方やスキルを身につけて、受け流せるようになりました。それでもメンタルの波はあるので、そんな時は真正面から立ち向かわずに、乗りこなすイメージがいいです。波を抑え込むのは難しいし、無理して立ち向かうとおぼれるので、波に身を任せるように、今できることをすればオッケーです。
それと、「メンタルを強くする」ってのは、予防みたいなものです。今まさにメンタルが弱っている場合は、メンタルを強くするのではなく、メンタルが弱ってしまった原因をなんとかする必要があります。人間関係のトラブルがあるからイラつくし、お金の悩みがあるから不安になります。人間関係やお金の問題がない場合、メンタルも自然に安定します。
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自分のメンタルを弱らせている原因を探そう
今の状況や環境に左右されるので、問題が起きてからメンタルを強くするよりも、メンタルを弱らせている問題自体を解決するほうが手っ取り早いです。「メンタルを強くする」ってのは、時間もかかるしうまくいくかわからないので、それなら身を置く環境を改善するほうが効果的ということです。身も蓋もないけど、人生を充実させれば、メンタルも安定します。
とはいえ、充実した人生でも心の病になる場合もあります。心の病は、心が弱いからなるのではありません。メンタルを壊しやすい人は、優しすぎたり、気をつかいすぎたり、真面目すぎたりするけど、これらはすべて長所でもあります。その特徴を持つあなたが悪いのではなく、そんなあなたを都合よく利用する環境や人間が悪いんです。だから、心の病になったとしても、自分を責めないでください。
それは、状況や環境が悪かったり、生きづらい世の中に原因があったりするので。社会を変えることは難しいので、自分の考え方を変えて心を守ってください。そして、「自分は弱い」と思い込む必要もないですからね。「ネガティブ思考だから弱い」「落ち込むから弱い」とはなりません。ぼくの考える「強さ」とは、「何度でも立ち上がること」です。
負けても落ち込んでもいい、そこから立ち上がって前を向くことが強さなんです。人生がうまくいかないなんて当たり前です。誰だって、〝人生の初心者〞なんだから。しかも、ゲームと違って予備ライフもないし、リセットもできない、困難だらけのハードモードなのが人生です。だから、悩んだり迷ったり間違えてもいいんです! 前を向いて生きているだけで、あなたは立派です!
漫画:コハラモトシ
コハラモトシ
漫画家