さまざまな容量帯で、きめ細かいプランを提供する競争
――総合満足度トップ3の「povo」「LINEMO」「楽天モバイル(MNO)」にはどんな魅力があり、評価されたのでしょうか。やはり、安さが決め手でしょうか。
担当者 総合満足度1位になった「povo」は、部門別でみると、顧客サポート部門以外で上位3位に必ず入っています。「povo」は必要な時に必要な分だけトッピングすることで料金が発生します。MNO(通信キャリア)では唯一基本料0円の料金体系をとっていて、コスト削減に最適と考えられます。
「LINEMO」は、LINEを利用した場合にデータ通信料を使用量としてカウントせず、LINE利用時のみ速度制限がかからないサービスを提供しています。日常に必要不可欠であるLINEが使い放題という点、またベストプランという段階性の新料金プランを導入し、従来のコストパフォーマンスはそのままに、さらに柔軟なプラン展開が評価されていると考えられます。
「楽天モバイル(MNO)」は、利用量に応じて料金が変化するワンプランで提供しています。また、最初に挙げた割引プログラムのほかに、楽天経済圏内サービスの併用でよりお得にサービスを利用することができます。料金体系のシンプルさや楽天経済圏との親和性の高さで満足度が上がったと考えられます。
――なるほど。「UQmobile」「LINEMO」「Y!mobile」も微増ですが、着実にシェアが伸びているのはどういう理由からですか。
担当者 「UQ mobile」については2023年11月のKDDIの決算説明会で、高橋誠社長が「UQ mobileは多くの方に中大容量プランをお選びいただいている」とコメントしています。
「LINEMO」は、3GBか20GBのみのプラン設定だったのを、7月30日からは~3GB、~10GB、~20GB、~30GBとさまざまなニーズに合わせた新プランを打ち出しています。
「Y!mobile」は小~中容量帯でプランを展開していますが、プランがシンプルでわかりやすいほか、スマホを初めて持つ人向けの割引もあります。各キャリアともに顧客が求めるサービス提供と競合からの差別化を図っている。こうしたことから、消費者がより自分に合ったサービス選びやすくなっているのだと感じます。
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「ahamoショック第2波」がどう波及していくか?
――今後大手4キャリアの競争はどうなるでしょうか。
担当者 最大の注目点は、今後通信業界で通信料金と通信品質で競争が見られることだと考えます。通信料金では、大手4キャリアが提供する経済圏サービスとの親和性がユーザーにとっての「お得感」を創出すると言えます。
通信品質では、楽天モバイルがプラチナバンドの割り当てを受けたことによる他社からの流入が考えられます。顧客ニーズに対する企業の取り組みや、競合との差別化を図る施策など、さまざまな方向からのアプローチ次第で業界の競争が見られるのではないでしょうか。
直近で私が気になっているニュースとして、「ahamo」が10月1日より価格据え置きで、利用可能データ容量を30GBに引き上げた「ahamoショック第2波」があります。この「ahamo」の容量改定は、顧客ニーズに寄り添う取り組みの1つだととらえられます。
同じ料金帯で同じ容量を提供するキャリア各社の差別化を狙った動きにも注目していきたいと思います。
(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)