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●『成城石井』では10月31日(木)まで、「お茶と楽しむ台湾グルメフェア」を開催中。多くのファンに支持される自家製惣菜の製造現場に潜入し、そのこだわりや秘密を探ってみた。

『成城石井』の看板商品といえば、自社工場で作るお惣菜やスイーツ。和洋中にエスニック、さまざまなヒット商品を生み出してきましたが、実は過去に台湾風の商品を販売したことはあるものの、“本格王道グルメ”をずらり取り揃える「台湾グルメフェア」は初めてなのだとか。

 そこで訪れたのが、2022年から神奈川県大和市で操業を始めた『成城石井』の重要拠点「大和第3セントラルキッチン」です。

 普段は公開していない製造現場で見た自家製商品のこだわりや、今回新たに開発した台湾グルメを試食しその魅力をレポート。これらを知れば美味しさがより深まるに違いありません。

プロの料理人による開発と自社製造が美味しさの秘密


最新鋭かつ最大規模の設備を誇る「大和第3セントラルキッチン」。お店に並ぶ自家製惣菜はここから生まれる

 建物は小田急線鶴間駅から徒歩約20分、厚木街道が国道246号に合流する地点に位置し、床面積は東京都町田市で稼働する2つのセントラルキッチンの約2倍。これまで分散されていた工程を一所に集約することで製造能力が飛躍的にアップ、SDGsや地域雇用の促進にも貢献しているそうです。


ワインをイメージしたコーポレートカラーは「成城石井ボルドーレッド」

『成城石井』の強みはズバリ、惣菜やデザートなどの企画・開発・製造を一貫して自社で手がけること。スーパーマーケットの自社製造がまだ珍しかった四半世紀以上前からセントラルキッチンを立ち上げ、数々の自家製商品を世に送り出し、多忙な共働き世帯などに大いに喜ばれてきました。

 ここで中心となって開発・製造に携わるのは、一流ホテルや有名レストラン、専門店などで経験を積んだ、確かな腕を持つプロの料理人。素材や製法にこだわるのはもちろん、試行錯誤を繰り返しプロが納得できる美味しさをとことん追求、その妥協なきこだわりが多くの食卓で愛される商品につながっているのですね。

あえて手作業にこだわることで美味しさを


「ポテトサラダ」の原料になるのは北海道産の男爵。食感を重視するため大ぶりなじゃがいものみ使われる

 最新型の包餡機や環境に配慮した包材の導入を行う一方で、下処理から調理、盛り付けに至るまで、あえて手作業を取り入れることも『成城石井』のこだわりです。

 例えば『成城石井』の惣菜で長年人気の「成城石井自家製 ポテトサラダ」では、もっとも美味しい皮と身の間の部分を生かすために、蒸し上げたじゃがいもを一つひとつ丁寧に手で皮をむき、軽くつぶしてからバットへ入れているではありませんか。この後で機械にかけますが、そこでもマッシュしすぎないことで、ホクホクとした食感が楽しめるようにしているとはさすがです。


担仔麺のスープに注がれるのは干し椎茸の戻し汁。全体の半量以上を占める

 こちらは「台湾グルメフェア」の一品、「成城石井自家製 自家製麺使用 台湾風担仔麺(タンツーメン)」のスープ作りの現場です。直火釜で生姜、ニンニクを加熱し香りを出したら、ナンプラー、オイスターソース、がらスープを投入。『成城石井』ならではの工夫は、味のベースに干し椎茸の戻し汁を使用すること。日本の乾物の旨味を取り入れることで、台湾料理になじみがない人でもぐんと食べやすくなるのだそう。


そっとやさしく、たっぷりの煎りごまをスピーディーに付けていく

 たっぷりの香ばしい煎りごまを手作業で付けているのは、同じく台湾グルメフェアの一品「成城石井自家製 青ねぎたっぷり! 台湾風胡椒餅」。ちなみに、ごまの隣にあるボウルに入っているのは砂糖水。ごまを付ける前に上面を砂糖水に付けると、加熱したときに照りが出て美味しそうに焼き上がるそうです。

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王道の台湾グルメを堪能!「台湾フェア」で買いたい5品


ごはんものから麺類、おやつ、デザート、台湾茶まで、こだわりの27品が勢ぞろい

「お茶と楽しむ台湾グルメフェア」では、定番料理の魯肉飯(ルーローハン)、屋台で人気の胡椒餅、デザートにぴったりのジャスミンゼリーなど、自家製惣菜やデザート11品のうち新商品が10品もあり、力の入れ具合が感じられます。

 それらと組み合わせて楽しみたい台湾茶は、伝統製法で作られた「成城石井 台湾鉄観音茶」をはじめとするティーバッグが7銘柄、オフィスやお出かけ先に気軽に持って行けるペットボトル2銘柄をそろえる充実ぶりです。

 ではおすすめの商品をご紹介しましょう。

「成城石井自家製 魯肉飯」


1パック755円

 セントラルキッチンの“中華の匠”とも呼ばれる料理人・大橋尚史さんが「分厚い豚の角煮は3時間煮込むことで食感や色、味を本場に近づけつつ、細部にこだわった自信作」と話すのが、「成城石井自家製 魯肉飯」です。

 角煮に使う豚バラ肉は1時間蒸して30分両面を焼き、八角の風味をアクセントに、淡口(うすくち)醤油・たまり醤油・特選醤油の3種類の醤油をブレンドした自家製ダレで煮込むこと3時間。箸でスッと切れる、とろける柔らかさの角煮に加えて豚のほぐし身がのせてあり、異なる食感が楽しめてボリューミー。自家製煮玉子、台湾の日常惣菜である高菜がちゃんと添えられているのもうれしいですね。

「成城石井自家製 自家製麺使用 台湾風担仔麺」


1パック647円

 台湾の屋台などで親しまれている汁入りの麺料理が「担仔麺」。本場では小ぶりなサイズが一般的ですが、『成城石井』では一食分として十分満足できるサイズ感で登場です。

 自家製XO醤で味付けした肉そぼろ、エビ、ニラ、煮玉子、もやしをトッピング、スープは現地の味に干し椎茸の戻し汁をたっぷり加えることで、あっさりした中にもコクがあり、自家製麺との相性も抜群です。

 現地見学でわかったことですが、セントラルキッチンではスープをゼラチンで固めることで、配送中や持ち帰り時にスープがこぼれないよう工夫しています。レンジで温めるとちょうどいい状態のスープになりますよ。

「成城石井自家製 青ねぎたっぷり! 台湾風胡椒餅」


2個入り647円

 胡椒餅とは、胡椒をきかせた豚肉のあんを生地で包んだ肉まんじゅうで、台湾屋台料理の人気メニューの一つ。昨年販売した胡椒餅風の商品を、生地や大きさも本場に近づけリニューアルしたのがこの商品です。

「本場ではナンのような焼き方をしますが、さすがにここではできないので蒸してから焼いています。温度や時間を試行錯誤し5ヶ月かけて完成させました」と大橋さん。


いりごま、肉だねたっぷりの胡椒餅。奥のペットボトルは「成城石井 凍頂烏龍茶」と「成城石井 茉莉花茶」各500ml 161円

 たっぷり入った肉だねは国産豚挽き肉、青ねぎ、長ねぎを混ぜ合せてあり、五香粉がききすぎていないので食べやすいお味。いただく際は、軽くレンチンしてオーブントースターで温めると、外はカリッと中はふわっとした食感になり絶品です。

「成城石井自家製 凍頂烏龍茶と3種フルーツのジャスミンゼリーのせ」


1個431円

 台湾のフルーツティー(水果茶)をイメージしたデザートがこちら。透き通った金色で、花のような華やかな香りが特徴の台湾凍頂烏龍茶で作ったプルプルのゼリーに、パイナップル、キウイ、オレンジ3種のフルーツを加え、甘みと酸味をプラス。さらにジャスミンゼリーを組み合わせ、さっぱり爽やかな味わいに仕上げてあり、食後のデザートやティータイムにぴったりです。

「成城石井 台湾鉄観音茶」


12P 647円 [食楽web]

 台湾茶のティーバッグにもしっかりこだわっています。7つの全銘柄とも、原料となる茶葉はリーフティーと同じフルリーフが使われているので、茶葉が大きく味わいもしっかり。抽出効率がよい三角ティーバッグ仕様となっており、マグカップでも手軽に本格的な味と香りを楽しめます。

 今回ピックアップしたのは、105度から130度で12時間、焦げないよう丁寧に焙煎を行う“重焙煎”で仕上げた「成城石井 台湾鉄観音茶」。まろやかな口当たりとすっきりした後味が特長で、台湾グルメはもちろん和のデザートにもよく合いますよ。

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 『成城石井』ならではの自家製商品のこだわり、いかがでしたか。「お茶と楽しむ台湾グルメフェア」ではこの他にも、「成城石井自家製 パイナップルケーキ」や「成城石井自家製 魯肉饅(ルーローまん)」、10月16日からは「成城石井自家製 台湾肉圓(タイワン パーワン)」、「成城石井自家製 鶏肉飯(ジーローハン)」も登場します。

 いずれも日本人の口に合うようにアレンジされているので、どれも食べやすいものばかり。個々のこだわりとボリュームを考えると、そのリーズナブルな価格に驚きます。ぜひお近くの『成城石井』で気になる商品をゲットして、自宅やオフィスで台湾気分を楽しんでみてください。

(取材・文◎池田実香)

●DATA
成城石井
https://www.seijoishii.co.jp/