街でスマホを2台持っている人を見かけるが、料金が増えるのにどういうメリットがあるのか。

NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年9月30日に発表した調査「スマホ+1の2台持ち 女性はスマホ+タブレットの組み合わせが約半数」によると、10代女性の2割以上が2台持っている。

男性では2台目もスマホが多いが、女性では2台目はタブレットが多い。いったいなぜ? 調査担当者に聞いた。

女性では10代、男性では40代・60代に多い「2台持ち」

モバイル社会研究所の調査(2024年1月)は、全国の15~59歳男女6440人が対象だ。【図表1】が、2012年以降の携帯電話(スマホ)の2台以上所有者の割合の推移だ。ここ12年は10数%前後で大きな変化がない。2024年は前年より微増の14%だった。

2台以上持っている人を性年代別にみると、10代女性(22%)が2割を超えて突出して多いが、男性40代、60代も2割近くいる【図表2】。

1台目と2台目はどんな組み合わせが多いのか。【図表3】がその結果だが、赤枠のとおり、「スマホ+スマホ」「スマホ+タブレット」が高い組み合わせになっている。「スマホ+スマホ」の組み合わせでは、Android、iPhoneともに同じ種類のスマホを所有しているケースが大半だ。

【図表3】の赤枠の部分を、詳しく調べたのが【図表4】だ。1台目にスマホをもっており、2台目にスマホかタブレットをもっている人を年代別に比較した。左側の青色系が「スマホ+スマホ」、右側の赤色系が「スマホ+タブレット」の組み合わせだ。

男女別に見ると、女性のほうが「スマホ+タブレット」(赤色系)が多く、女性全体では約半数、特に10代女性(63%)は6割を超えている。これはいったいどういうわけだろうか。

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2台持っても高額にならないペアプランを利用

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったモバイル社会研究所の近藤勢津子さんに話を聞いた。

――2台以上持ちの割合がここ12年で微増だが、10数%前後で大きな変化がないとあります。変化がない理由はなんでしょうか。近年、スマホ市場が飽和状態と言われていることに関係しているのですか。

近藤勢津子さん 12年前は、ガラケーといわれる「フィーチャーホン+1」が主流でした。現在は「スマホ+1」が主流となっています。

スマホ市場が飽和、ということではなく、複数台数を利用するニーズが現状は一定数、ということかと思います。

――しかし、そもそもの疑問ですが、会社から仕事用スマホを別途支給されるならともかく、個人が自腹を切って2台以上持つ必要性はどこにあるのでしょうか。携帯料金もバカになりません。2台以上持つメリットは何でしょうか。

近藤勢津子さん 複数台所有のメリットは、やはり「使い分け」になるかと思います。

1台目のメインスマホはメッセージ、音声電話などに使いつつ、2台目のスマホやタブレットは動画やSNS、ゲーム、データ保存用などに利用、というような使い方です。

また、料金についても、2台持っても高額にならないプランが用意されています。たとえば、NTTドコモの例では、データプラスのペアプランで、毎月税込み1100円プラスですむものがあります。