シェミナ・カマリが手がける新生「クロエ」のフォークロアルックをはじめ、ランウェイでふたたび脚光を浴びている70年代ファッション。現代にも影響を与え続けている、その自由で独創的なスタイルをひも解く。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。
70年代のルックを読み解く
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ヒッピームーブメント、ディスコ、パンク……70年代はファッションと音楽が融合し、無尽蔵のインスピレーションの源となった時代である。ここでは、今日のファッションにも刺激を与えてくれる70年代を振り返ってみよう。
近年、既製服業界は90年代や2000年代のスタイルに目を向けてコレクションを展開しているが、70年代ファッションは今もデザイナーたちの真のインスピレーションの源であり続けている。
70年代は女性にとって解放の時代であり、若者が抗議に目覚めた時代でもあった。新しい音楽と服のジャンルが出現した10年であり、その痕跡は今もファッショニスタのワードローブに見て取れる。
フリンジ付きのスエードジャケットからスパンコールのドレスまで、当時も今も影響力を持つ70年代の美学を紹介しよう。
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音楽:豊かな衣服
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70年代は、独創的であることがすべてだった。これはワードローブに、エレクトリックブルーなどの色やスパンコールなどの素材が爆発的に増えることにつながった。
スタイルはユニセックスになった。女性はボーイッシュなカットやパンツ、ラペル付きのブレザーを取り入れ、一方で男性はロングヘアを選んだ。
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1968年5月以降、ヒッピーの波はさらに強く感じられ、シャツ、ドレス、スカートに花柄がプリントされるようになったのは「フラワーパワー」というメッセージが込められたひとつのトレンドだった。
ヒッピー・ムーブメントのもうひとつの強力な平和主義的スローガンである 「Love and Peace(愛と平和)」は、あらゆるTシャツに書かれ、ベルボトムやオーバーサイズのブラウス、スカーフや髪に花をあしらったヘアアクセサリーなど、ゆったりとした服装に反映された。
ディスコミュージックといえば、ABBA(スウェーデンのポップグループで、70年代を中心に活躍した)にとって大事なスパンコールやゴールドのみならず、イエロー、赤、アップルグリーンといった強い色彩が特徴だった。“サタデー・ナイト・フィーバー”(1977年に全米公開され、ディスコブームを巻き起こした青春映画)だ。
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セックス・ピストルズ(70年代後半に登場したイギリスの伝説的パンクロックバンド)とラモーンズ(同時期に活躍したアメリカのパンクロックバンド)は英米のパンクムーブメントを代表し、彼らのルックが大流行した。穴のあいたデニム、スタッズのついたブレスレット、ドクターマーチン、安全ピンで留めたキルト……イギリスのヴィヴィアン・ウエストウッドは、このトレンドの民主化に大きく貢献した。
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70年代は、デザイナーたちが徐々にクチュリエ(仕立て師)に取って代わるようになった。イッセイ・ミヤケとカール・ラガーフェルドはパリでの最初の成功を収め、ケンゾーとジャン=シャルル・ド・カステルバジャックは色彩に焦点を当てた一方で、シャンタル・トーマス(1975年創設のランジェリーブランド)は女性の服を脱がせた。