2024年の今オフ、FA市場で動向が注目される選手が、阪神の大山悠輔だ。

大山の「野球に向き合う姿勢もナインのお手本に」

昨季(2023年)は全試合に4番でスタメン出場し、打率.288、19本塁打、78打点をマーク。最高出塁率.403でタイトルを獲得し、阪神の38年ぶりの日本一に大きく貢献した。

国内FA権を取得した今季は打率.259、14本塁打、68打点と不本意な成績に終わったが、右の強打者として他球団の評価は高い。

スポーツ紙デスクは、こう見ている。

「推定年俸2億8000万円は決して安くないが、未知数の助っ人外国人を何人も獲得することに比べて戦力として計算できるし、野球に向き合う姿勢もナインのお手本になる。決して高額な補強だとは感じません。クリーンアップを打てる一塁手を固定できていない球団は多い。西武、広島、オリックスはまさに補強ポイントでしょう。大山がFA権を行使すれば、獲得レースに参戦する可能性は十分にあります」

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最もハマる球団は?

最下位に低迷した西武は、リーグワーストの350得点と得点力不足が深刻だった。打率.212、60本塁打もリーグワースト。2ケタ本塁打に到達した選手が1人もいなかった。

大山は茨城出身のため関東の球団でプレーすることを希望するなら、大きなアドバンテージになる。

阪神と同じ関西に拠点を置くオリックスも打線強化が必要だ。

今季はリーグ4連覇を狙ったが、5位に低迷。投手陣は奮闘したが、打線がつながりを欠いて見殺しにするケースが目立った。

昨季、首位打者に輝いた頓宮裕真が打率.197、7本塁打、30打点と打撃不振だったのが大きな誤算で、一塁のレギュラーを固定できなかった。4番も森友哉、西川龍馬が担ったが、本来は3番や5、6番を担うタイプだ。大山を獲得できれば、「4番・一塁」で完全にハマる。

9月以降に大失速して4位に終わった広島も、強打者の補強が最優先事項だ。

チャンスメーカーは多いが、長距離砲は末包昇大以外に見当たらず迫力不足が否めない。大山が打線に入れば、得点力が大幅に上がる可能性がある。

もちろん、阪神は大山の慰留に全力を注ぐだろう。他球団が熱視線を送る中、動向が注目される。(中町顕吾)