プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏が2024年10月20日にユーチューブを更新し、同日東京ドームで行われたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦、巨人対DeNA戦を分析した。
「今日の濱口はデータ以上のものが出ていた」
試合は巨人が5回に、先頭の中山礼都内野手(22)が、DeNA2番手・山崎康晃(32)からライトスタンドのソロ本塁打を放って先制。その後、両チームとも得点がなく、これが決勝点となり巨人が1-0でDeNAを下した。
これで巨人が対戦成績を3勝(1敗はアドバンテージ)3敗の五分とした。
高木氏が注目したのは、DeNA三浦大輔監督(50)の5回の采配だ。
1死走者なしの場面で、8番・戸柱恭孝捕手(34)がセンター前ヒットを放って出塁。1死1塁で9番・濱口遥大投手(29)に打順が回ってきたところで、DeNAベンチが動いた。
三浦監督は濱口に代え、マイク・フォード内野手(32)を代打に送った。濱口は4回を投げ、1安打5奪三振、無失点だった。
結局、フォードはサードフライに倒れ、続く梶原昂希外野手(25)がセカンドゴロに終わり、得点できなかった。
濱口の交代に関して、高木氏は「『なんで濱口を代えるの?』と思った。なぜ思ったのかというと、代えたら巨人打線が『濱口を代えてくれるんだ』というふうな。非常に勢いづくのではないかなという心配があった。だからなんで代えるだろうと思って。データ的に、例えば5回以降は濱口の投球が落ちてきて、打たれる傾向にあるとか。そういうデータが仮にあったとしても、今日の濱口はデータ以上のものが出ていたと思う」
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「濱口にバントさせても良かったのかなと思う」
そして、フォードを代打に送り出した三浦監督の心境について、こう分析した。
「濱口にバントさせても良かったのかなと思う。だけどフォードを(代打で)出して、勝負に行った。三浦監督は先手が欲しかったのだと思う。イチかバチかという言い方が正しいか分からないが、勝負に出た。三浦監督も、王手はかけているが、切羽詰まっている。圧迫感がある。早く決めなくてはいけないという焦りからフォードを出したのかなという気がする」
試合は濱口が代わった直後の5回裏に動いた。2番手・山崎が先頭・中山に痛恨の1発を浴び、これが決勝点となった。
高木氏は「球場にいるみなさん。テレビで見ているみなさん。『あれ?濱口代えるんだ』と思った人は、大半いたと思う」と交代の場面を振り返り、次のように持論を展開した。
「これは流れが変わると思った人はたくさんいたと思う。その通りになってしまった。選手もいろいろ考えながら野球をやっているから、『代えるんだ』と思った人もいるかもしれない。結果が悪く出ると、『なんで代えてしまったんだろう』というような重い雰囲気は漂ったと思う」
さらに、こう続けた。
「DeNAはデータの中である程度、決め事をしている。だからそういうデータがあったにしても、こういう試合は気持ちもある。濱口は普段見せないくらいの気合を見せて、めちゃくちゃよかった。だから、代えることはなかったのかなと。ひとつだけ悔いが残る。1対0だから責められないけども。(フォードが)2ランでも打っていたら、称賛されるだろうけど。『よく代えたな』となるが、こういう負け方をすると、『あそこでの交代が』と言われがちになる」
ファイナルステージ2連敗で、巨人に逆王手をかけられたDeNA。第6戦は、巨人が戸郷翔征(24)、DeNAはアンソニー・ケイ(29)が先発のマウンドに上がる。