「束縛夫」どう対応する?まだ夫は変われる?夫婦問題カウンセラー・岡野あつこさんが回答!

妻が出掛けている間、一人で過ごす夫の気持ちも理解して

あなたは「たった月1回のお出掛けやランチくらい、我慢してよ!」と思っているかもしれませんが、夫はあなたが出掛けるたびに「毎月毎月、俺を放置して妻一人で楽しむなんて!」と思っているのです。

そうした気持ちに配慮することもなく、妻に「置き去りにされる」ことが、夫にとってはたまらない苦痛なのです。自分がないがしろにされている、邪険にされている、と夫が思っていることが問題なのです。

たまには夫と一緒にコンサートに行ったり、友達との昼食に誘ってみたりしてはどうでしょうか。趣味が違うし友達に恥ずかしい、と思うかもしれません。でも「いや、俺は行かないよ」と夫からあなたの望む答えが出る場合もあるのです。

「家に帰る時間は?」と質問されたときも、嫌がらずにきちんと帰る時間を伝えることが大事です。つい「わからない」と答えたくなりますが、そこは大人の対応として正確に答えるのがベスト。曖昧な答えだと夫がより不安になります。

コロナやインフルエンザにかかるかもしれないから電車に乗るなと言われたら「そうね、心配してくれてありがとう」「車で送っていってくれる?」など、いろいろな形で夫の不安を払拭してあげましょう。

面倒ですが、コンサート会場から帰るときに電話するのも、妻の帰りを待つ夫の安心につながるのでいいかもしれません。

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夫への対応を変えることが、夫婦関係の改善につながる!

お二人は縁があって、長年連れ添い、一緒にここまで来ました。そして、これからもたぶん、あなたには「離婚して自由を勝ち取る」気持ちはないのだと思います。

だったら、上手にこの夫と付き合うことです。なるべくイライラしないように、優しく「すぐ帰るから安心してね」と伝えてあげましょう。

「あなたがどうしても行ってほしくないのなら、一人で出掛けるのは止めるわ」くらい言って安心させてあげると、夫は「いいよ、行っても」とあまのじゃくに答えるものです(笑)。

つまり「自由に行動するにはどうしたらいいか」という質問に対しては「あなたの夫への対応を変えることです」という答えになります。矛盾しているように聞こえると思いますが、それが一番の近道になるはずです。

あなたが一緒にコンサートに行ったり、堂々とお友達に紹介したりすると、束縛することが大事にすることではなく、あなたの自由を応援してあげることが夫婦にとって良いことだと、気付いてくれるかもしれません。

まずは、あなたの方から夫を誘ってみる、はっきりとしたスケジュールを夫に伝える。こういうことから改善してみましょう。そして、夫にも素敵なあなたにふさわしい「ゆったり構えた大人の男性」に成長してもらいましょう。

回答者プロフィール:岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。

・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」

構成:竹下沙弥香(ハルメクWEB)