「この症状は更年期が原因だった⁉」医療ライターが体験したうつ状態からホルモン補充療法開始まで

ホルモン補充療法を始める前に検査は必須

主治医からは抗うつ薬とホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy:HRT)を勧められましたが、同時に2種類の薬を飲み始めてしまうと、改善が見られた場合に、どちらの効果だったのかがわからないため、どちらか1つから始めることになりました。

私は最初に、ホルモン補充療法(以下、HRT)を選びました。ホルモン補充療法は、エストロゲンの欠乏によって引き起こされるのぼせ、めまい、ほてり、発汗、性交痛などの症状を、エストロゲンを薬で補充することによって改善させる方法です。

治療を始める前には、しっかりと検査を受けてHRTを受けられるかどうかを医師の診断で確認して安全性が認められた人だけが開始します。

私の場合、乳がんや子宮がんの検診を毎年受けており、特に異常が見つかっていなかったことなど、いくつかの条件が合致したこともあり、HRTを始めてみましょうということになりました。

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薬は選択肢いろいろ。医師の説明を聞いて自分で考える!

HRTで補充するホルモンは2種類あり、使う人の状態によって医師が方向性を示し、使用方法を提示してくれます。

2種類のホルモン製剤は、女性らしい体を維持して子宮内膜を厚くするエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤と、子宮内膜が厚くなり過ぎないようにして、子宮体がんを予防する働きを持つプロゲステロン(黄体ホルモン)製剤。主に子宮のない人が行うエストロゲンのみを補充する方法、子宮がある人が行うエストロゲンとプロゲステロンの両方を補充する方法があります。

エストロゲン製剤は、飲み薬、塗り薬(ジェルクリーム)、貼り薬(パッチ)などがあり、それぞれの特徴や副作用などをしっかり確認した上で、使いやすく、体質と生活習慣に合いそうなものを選びます。私の場合、含有するアルコールに対してアレルギーがなかったので、ジェル状のエストロゲン製剤を毎日塗り続ける方法を選びました。
さらに私の場合は、子宮があり閉経後3か月という閉経直後の期間にHRTを開始することになったため、エストロゲン製剤のジェルを毎日塗りながら、1か月に12日間だけ連続して朝夕2回、プロゲステロンの飲み薬を飲むという方法を、主治医の先生に勧められ、それを選びました。

この方法を選択した場合、定期的に月経のような出血があり、それは子宮内膜症や体がんを防ぐためだと、あらかじめ主治医に説明されました。さらにHRTを続ける場合には、年に1回は乳がんと子宮がんの検診を受けて、半年に1回は血液検査を受けてホルモン、コレステロール、中性脂肪、貧血の有無、肝機能などの異常がないかどうかを確認する必要があることも主治医から説明を受けました。