1.診療看護師とは?

従来より幅広い医行為ができる看護師

国内では(一社)日本NP教育大学院協議会が認定しており、2023年1月時点の認定者数は664人、うちプライマリ領域(成人・老年、小児)が155人、クリティカル領域が509人となっています。

看護師としてのスキルに加えて初期医療の知識・技術を身につけることで、医療現場のタスクシフトや、在宅医療などでの医師不在時の迅速な対応、医師と多職種の橋渡しなどさまざまな役割が期待されています。

また、診療看護師の勤務先は病院が最も多く、ほかに診療所や訪問看護などがあります。


参考:日本NP教育大学院協議会「令和3年度 診療看護師(NP)活動実態調査」より作成

診療看護師のメリット

タイムリーな処置が可能に

診療看護師は従来より広い範囲の医行為をおこなえるため、現場で医師の判断を待たずに患者への対応ができ、タイムリーな処置をしやすくなります。

とくに訪問看護など在宅医療の現場では医師が不在の場面も多く、指示を待つのに時間がかかってしまいます。患者の負担になる処置の遅れを減らし、看護師の業務時間の短縮にもつながります。

資格手当がつくことが多い

日本NP教育大学院協議会が実施した「診療看護師(NP)活動実態調査」によると、手当があるのは63.3%、看護師と別の俸給表が設定されているのは9.7%と、7割以上の診療看護師が何らかの手当や加算を受けています。


参考:日本NP教育大学院協議会「令和3年度 診療看護師(NP)活動実態調査」より作成

(広告の後にも続きます)

2.診療看護師になるには

実務経験と修士号取得・試験合格が必要

診療看護師になるためには、看護師として5年以上の実務経験を有し、かつ大学院修士課程を修了してNP資格認定試験に合格する必要があります。日本国内の大学院修士課程NP養成コースを修了(見込でも可)または、海外のNP資格取得者であれば、NP認定試験を受験することができます。

試験内容

受験領域は診療看護師論などの共通科目と、プライマリ・ケア(成年・老人または小児)、クリティカルのいずれか一つを選択して回答する領域別部分で構成されています。筆記試験のみで、実技試験はありません。

出題科目は下記のとおりで、5〜8はプライマリ・ケア、クリティカルで問題が分かれます。

NP(診療看護師)論疾病予防・健康増進医療倫理医療安全・関係法規病態機能学臨床薬理学クリニカルアセスメントクリニカルマネジメント

診療看護師養成課程がある大学院一覧

2023年3月現在、NP養成コースがある大学院は下記の13校です。

北海道医療大学大学院国立大学法人 秋田大学東北文化学園大学大学院国立大学法人 山形大学大学院東京医療保健大学大学院国際医療福祉大学大学院佐久大学大学院藤田医科大学大学院愛知医科大学大学院公立大学法人 島根県立大学大学院公立大学法人 大分県立看護科学大学大学院国立大学法人 富山大学大学院森ノ宮医療大学大学院

NP認定資格試験を受験するときは、自身が在籍している大学院またはNP養成コースがある近隣の大学院が会場になります。