投資に興味はあるものの「この年齢から始めても遅い」と、始める前から諦めてしまう人がいるかもしれません。しかし、投資に「今からでは遅い」ということはありません。本稿では、公認会計士である金川顕教氏による著書『公認会計士が教える「資産づくり」を勝ち抜くための11の戦略』(ポプラ社)から一部抜粋し、新NISAを始めたいと思っている人に向けたアドバイスをご紹介します。

「今からでは遅い」と投資を諦める必要はない

「もう40歳だから」「50歳を過ぎているから」と投資を諦めるのはまだ早いです。また、複利運用は雪だるま式に資産が増えるのが特徴ですが、もう1つ大切なことがあります。それは、最初に雪だるまを作る時の芯を大きくすることです。つまり最初に多くの資金を入れることで、その後の資産形成が大きく違ってきます。

例えば、100万円を投資する場合、毎年10万円ずつ10年間投資をするのではなく、初年度に100万円を投資し、残りの9年はバイ・アンド・ホールドしているほうが10年後の資産額に大きく差が出てきます。

20代、30代は貯蓄も少なく、最初に百万単位の資金を入れるのは難しいかもしれません。しかし、40代、50代となればある程度の老後資金を貯めていたり、60代の人は退職金などのまとまったお金を持っていることも多いでしょう。利息のほとんど付かない定期預金や保険商品を解約するなど、意外とかき集めることができます。

また、50代後半になれば、住宅ローンの終わりが近づいてきたり、子どものいる人は、子育てが終わりに近づいてきていて、学費の心配がなくなるという人も多いでしょう。ですから、最初にある程度の資金をつぎ込み、月々の投資額を増やすことも可能です。

投資は「今からでは遅い」ことはありません。「今さら」といってやらないことがダメなのです。

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新NISAは1,800万円枠をいかに早く埋めるかのゲーム

新NISAの場合は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、年間の上限額は「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円、合計360万円です。最大1,800万円なので、毎年限度額で購入しておくと、最短で5年間となります。そして、最短で1,800万円分を購入した人が、一番増えることになります。

もちろん、投資をしたい人は限度額以上の投資をしてもかまいませんが、そこで得た利益は非課税ではありませんので、しっかりと20%の税金がかかります(笑)。ですから、今回の新NISAでは、毎月30万円で年間360万円を投資し5年間で1,800万円の枠を使い切るのが勝ちパターンなのです。

もちろん月額30万円というのは理想の額ですので、それができるような人であれば、すでに投資家であって僕が言うまでもないでしょう(笑)。これから投資を始めようとする方は、月10万円でも、5万円でもかまいません。要は今まで貯蓄や保険などに月々回していたものを新NISAで積み立てるだけでいいのです。

5年が無理だとしても、7年でも10年でもいいので、この1,800万円の枠をしっかり使って、後はホールド、そのまま持っていればいいのです。そうすれば、20〜30年後の日本で生きていく上では安泰であると、日本政府が年金や給与水準、物価などを加味した上で呈示しているというわけです。