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●日本酒を本当に美味しく味わうコツとは? 秋田県を中心に活動しているフードコーディネーターのたなかのりこさんに日本酒の楽しみ方を伝授いただきました。

 近年の日本酒ブームは日本酒を愛する人もこれまで親しんでこなかった人も、飲みやすく美味しい日本酒が増えています。海外の人にも支持されるほど、その奥深い味わいは年々、進化を遂げています。

 普通に飲んでも美味しい日本酒。でも、ちょっと工夫するだけでもっと深い味わいになるって知っていましたか? 日本人なら知っておきたい、日本酒の楽しみ方をご紹介します!

 今回お話しを伺ったのは、日本酒で有名な秋田県でフードコンサル、サケエキスパートとして活動している、たなかのりこさん。東京でも食にまつわるセミナーで講師を務めるなど、日本全国で活動しています。


楽しみ方のコツは、「酒」「器」「つまみ」の組み合わせを考えることにあり [食楽web]

 日本酒を楽しむには3ステップあります。

「最初のステップは、「お酒の味わいを知ること」。どんな米で造られているか、精米歩合はどれくらいか、といった情報である程度味の方向性がわかります。米の品種はわからなくとも、精米歩合が高ければスッキリした味わい、逆に低ければ米の旨みが多く残っているということがわかります」(たなかさん、以下同)

 次のステップは、「器の違い」を意識してみましょう。


酒器の種類は大きく3つ「平杯」「お猪口」「冷酒グラス」

「飲むグラスが違うと、味は大きく変わります。これは、口の中での酒の広がり方に差があるから。平杯ですとお酒が舌の先端から入り、舌の奥の方に広がっていき、お猪口なら舌の真ん中くらいに入り、その後喉の奥に広がっていきます。
甘味は舌の先端が1番感じるので、同じお酒を飲んでも味わいが違って感じるのです。冷酒グラスは舌の上を直線的に流れるので、軽やかな飲み口に感じます」

日本酒をさらに美味しくする、ペアリングとは?


秋田のお酒3種と、オススメのおつまみ

 3つ目のステップは、「日本酒ペアリング」です。

「日本酒ペアリングとは、日本酒と料理の組み合わせにより、お互いの味わいを高めること。ペアリングは同調、相乗、マスキングに分かれます。

・同調→味わいが似たものを合わせると、馴染みの良い味わいに
・相乗→組み合わせにより、酒と料理それぞれがより一層美味しくなる
・マスキング→強い風味などを、組み合わせにより隠す(マスキング)、または和らげる

 例えば、イカの塩辛に辛口の日本酒を合わせると塩味が和らぎます。これは、マスキングですね。組み合わせは無限にありますが、製造方法や味の強さが近いものは相性がいいです」

 酒好きの筆者ですが、ここまで深く日本酒について考えたことがなく、フムフムと感心してばかり。そんな私に、「じゃあ、折角なので味わってみましょうか!」

 そう言ってたなかさんは、オススメの日本酒とおつまみを持ってきてくれました。酒器も用意していただいたので、早速ペアリング体験、スタート!


やまとしずく(秋田清酒)×干し柿

 まずは秋田清酒の「やまとしずく」を平杯でいただきます。

 香りが良いですね。お酒らしい、米のふくよかな良い香りです。すきっとした口当たりで後味のよい、軽快ながら飲みごたえのある一本。

 そこに合わせるのは、「干し柿」。ねっとりとした干し柿と、スキッとした味わいが良く合います。口の中でお互いの甘み、旨みが増長する、まさしく相乗効果。

 干し柿で日本酒? と最初は驚きましたが、果物とお酒の甘みが口の中で膨らむ味わいは、ぜひ一度体験してもらいたいです。


ちよみどり(奥田酒造)×燻製ベーコン

 奥田酒造の「ちよみどり」はお猪口でいただきます。辛口のキリリとした口当たで、爽やかな香りが飲みやすい一本。舌の表面で感じる発泡感、舌の側面で楽しむお酒の旨み、二重層的な味わいが魅力です。

 ペアリングは、燻製したベーコン。口の中で広がる燻製風味をお酒が受け止め、広げ、心地よく喉を通る同調を楽しめます。


天黒(浅舞酒造)×ブリー(チーズ)

 浅舞酒造の「天黒」は黒麹の酸味と合わさることで、飲みやすさと独特の風味を作っている珍しい日本酒。冷酒グラスでスッキリとした喉越しを楽しむのがベター。旨みと酸味のバランスがたまりません。

 オススメされたペアリングは、ブリー(白カビ系チーズ)。なめらかでコク深いチーズがとても良く合います。口一杯に広がるチーズの風味を、爽やかな飲み口がすっきりと喉へ運ぶ喜びは、やみつきです。

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 酒器や組み合わせで味わいが変わる、奥深い日本酒。今回大変勉強になりました!

 最後にたなかさんから一言。
「1番大事なのは、自分自身の好みを見つけることですね。日本酒はとても表情豊かで、奥深い。正解はないので、ぜひご自分の舌に合う楽しみ方を発見してください」

(撮影・文◎平あきら)

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店:株式会社ワンダーマート内 Cafeteriaヒラジョー
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