横暴社長の自滅

30年勤めたスーパーを辞めた私は、向かいにあるライバル店の別スーパーで働くことに。実は前々から誘われていたのです。しばらくすると、前職のお店の客足が急減し、逆に現職のスーパーは大繁盛。私をひいきにしてくれている常連さんがこぞってこちらに買い物に来るようになったからです。

ところが例の新社長は、わざわざライバル店に出向き、年配のお客様と歓談しながら食材をすすめていた私に、イチャモンを付けてきました。「お前が裏で何かしたな? ウチの客が減ったのはお前のせい!」

私は冷静に答えました。「何もしていませんよ。ただ、皆さんが私を信頼してくれただけです」

加えて、目の前にいた年配女性も私の味方に。実は彼女、以前この横暴社長に「出禁だ!」と騒がれて嫌な目に遭ったあのお客様だったのですが……。「ご存じないようだけど、私の夫はそちらのスーパーの主要株主です。今度の株主総会で、あなたのような社長は解雇を検討するよう伝えておくわね」

これには私も新社長もビックリ。彼は態度を一変させて平謝りです。私にも、「お願いだ、戻ってきてくれ! このままではウチがつぶれる……」と泣き落としに入りました。

しかし、今さら戻ることはありえません。私の今の職場はこちらのスーパーなのです。その後、横暴社長は別店舗に異動され、店員としてイチから修行を積むようお達しが出たのだとか。向かいのスーパーには別の社長が就任し、また良きライバルとして今の私のパート先と競い合っています。
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無駄を省き人件費削減ばかりをうたう新社長。横暴すぎて誰からも見放されてしまいました。やはり人と人とのつながりには会話や触れ合いが大事ですよね。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

著者/ウーマンカレンダー編集室/スカッと
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