グッチの精神とクリエイティビティーを体感できる展覧会「GUCCI COSMOS」(京都市京セラ美術館)

グッチの日本上陸60周年を記念した展覧会「GUCCI COSMOS」が12月1日まで、京都市京セラ美術館で開催されている。100年以上にわたって継承されてきたグッチの精神と創造性が体感できる展覧会だ。

大規模世界巡回展「GUCCI COSMOS」が上海、ロンドンに続き、京都にやってきたのには意味がある。グッチの誕生の地、イタリア・フィレンツェと京都が姉妹都市であり、日本と赤い糸で結ぶ、深く、長い絆を祝すためでもあるという。

この展覧会は、イギリスの著名なコンテンポラリー・アーティストのエス・デヴリンが空間デザインを担当し、イタリアのファッション研究家で評論家のマリア・ルイーザ・フリーザがキュレーションを手がけ、グッチの過去、現在、未来を巡る、遊び心に富んだ旅を体験することができる。

時の迷宮

展示の起点は「時の迷宮」から。タイトルの通り、迷宮に入ってしまったように同心円状に3つのセクションがあり、ブランド創設者のグッチオ・グッチの誕生からサバト・デ・サルノがクリエイティブ・ディレクターに就任するまでの流れを示している。グッチのコレクションの中核をなすハンドバッグにもフィーチャー。楽しいのは、見る人たちが展示ケース、ボックスに収納されているスカーフや資料などを「発見」することができるという演出だ。

(広告の後にも続きます)

乗馬の世界

グッチと乗馬の世界のつながりが表現されている部屋では、円形の空間を取り囲むように設置された大型スクリーンに、馬が走る迫力のある映像が映し出され、ひずめの音や乗馬にまつわることばを朗読する声が響き渡る。そしてその間から見える服の数々。1953年にアルド・グッチがローファーを飾るハードウェアとして取り入れ、グッチのアイコンともなったダブルリングとバーからなるホースビット、馬にサドルを固定するための腹帯からインスピレーションを得たグリーン・レッド・グリーンのウェブストライプなど、乗馬とグッチの歴史の深さが見てとれる。