グッチの日本上陸60周年を記念した展覧会「GUCCI COSMOS」が12月1日まで、京都市京セラ美術館で開催されている。100年以上にわたって継承されてきたグッチの精神と創造性が体感できる展覧会だ。
バンブーの世界
グッチのクリエイションの象徴もいうべき「グッチ バンブー 1947」。その名の通り、1947年に誕生したバッグの美しい曲線のシルエットは、馬のサドルの輪郭を模したもの。グッチが初めて乗馬の世界からのインスピレーションをデザインに落とし込んだ製品だ。様々な素材やパターンなどで作られたバッグは、その豊かな歴史と普遍性を感じさせる。
また、グッチの日本上陸60周年を記念するコラボレーションプロジェクトで、ヴィンテージ「グッチ バンブー 1947」バッグを日本の伝統工芸作家とコンテンポラリー・アーティストが再生した作品の一部も見ることができる。
加えて、仙台平(せんだいひら)、伊勢型紙、甲州印伝、西陣織のHOSOO(細尾)など、日本の伝統工芸との対話から生まれた作品も展示している。
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グッチの絆
鮮やかな赤で彩られた展示室は、「誰もが人生に影響を与える運命の相手と目に見えない赤い糸で結ばれている」という日本の「赤い糸」の伝承にインスピレーションを得たという。また、赤はグッチの歴史を通して繰り返し登場してきた色であり、過去と現在をクリエイティブな表現で結ぶ赤い糸だという。クリエイティブ・ディレクターのサバト・デ・サルノは深みのある赤を「グッチ ロッソ アンコーラ」と名付け、グッチの新たなシグネチャー・カラーとした。様々な赤で表現された服やアクセサリー、オブジェを通じて、グッチの自由な精神と無限のエネルギーを表現している。
text: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長)
・グッチの世界巡回展「GUCCI COSMOS」。京都市京セラ美術館にて10月よりスタート
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