食楽web
●池袋の老舗町中華『新珍味』で味わえる名物ターローメンと肉盛りチャーハンの魅力に迫る!
池袋といえば、とにかく中華屋が多い街。という印象があります。最近増えているガチ中華はもちろん、古くから営業している町中華系などなど、数え切れないほどの中国料理店があります。
そんな中から、今回ご紹介したいのは池袋西口にある『新珍味』というお店。一見すると、どの町にもありそうな中華屋さんのようですが、かなり本格的な中国料理を出す名店で、看板メニューの「ターローメン」は特に有名です。
ここの創業者であり、名物「ターローメン」の味を生み出したのは、1952(昭和27)年に日本に亡命してきた台湾独立運動家・史民さんという方です。72年経った今も、『新珍味』ではその味を引き継ぎ、守り続けているんです。
『新珍味』は、池袋西口から徒歩2分の場所にあります
この「ターローメン」とは、酸味と辛味とニンニク風味が特徴の餡かけラーメンです。ちなみに中国における“5大麺”の1つに、「大滷麺(タールーミィェン」もしくは「打滷麺(ダァルゥミィェン)」と呼ばれるとろみのついた煮込み麺があります。これは北京でよく食べられる料理らしいのですが、『新珍味』の「ターローメン」も、それが元になっていると思われます。実際、メニューにも「北京大滷麺」と書いてあります。
その「ターローメン」を求めて遠方からの多くお客さんが訪れるのですが、「ターローメンと同じかそれ以上に人気かもしれないのがチャーハン」という情報が、池袋在住の知人からもたらされました。聞けば、ただのチャーハンではなく、肉がたっぷりと載った「肉盛りチャーハン」なんだそうです。
そんなわけで今回、名物の「ターローメン」と、裏人気メニューの「肉盛りチャーハン」を食べてきたので、その魅力を紹介していきましょう。
肉盛りチャーハンにターロー餡をかけてダブルで旨い!
『新珍味』の表にある「ターローメン」の看板
某日お昼、『新珍味』を訪れてみると、1階のカウンターはほぼ満席。2階もあるようですが、1人客はカウンターが空くまで外待ちです。
中に案内されてお客さんを観察してみると、「ターローメン」派のお客さん、「肉チャーハン」派のお客さん、そしてその両方(ランチセットの半ターローメンと半チャーハン)派のお客さんと、店内では3つの勢力が混在していました。たしかに、知人が言っていたとおり、チャーハン率が高いですね。
筆者も「半ターローメン」(850円)と「肉盛りチャーハン」(1100円)を注文してみました。待つこと7〜8分、登場したのがこちらです。
左「肉盛りチャーハン」1100円、右「半ターローメン」850円
さっそく名物「ターローメン」から食べてみます。見た目は「酸辣湯」のようですが、そのとろとろのスープを一口飲んでみると、特に酸っぱくはありません。それよりも旨味が強く、コショウとニンニクのパンチがあって、唐辛子の辛味もじんわり。具材は、白菜、豚肉、タケノコ、ニンジン、キクラゲ。それに溶き卵も。
とろみ餡が最後まで麺に絡みつきます
このとろみ餡、どこまでいってもとろとろなんです。つまり、麺とスープの上に餡をかけているのではなく、スープそのものが餡なのです。だから、ずっとアツアツで、中太麺にその餡がしっかりとからみついていつまでも美味しい。
次に、裏人気メニューの「肉盛りチャーハン」をいただきます。
「肉盛りチャーハン」1100円
その名前を裏切ることなく、チャーハンの上に肉がモリモリ!
長ねぎと一緒に甘辛く炒められた厚めの豚肉は、しっとりやわらか。これだけでも非常に美味しいですが、下に控えるチャーハンももちろんイイ。パラパラしていて、お肉が載っている部分は、その肉汁でしっとり。濃い味の肉に対して、チャーハンは塩味控えめなので、その調和がたまりません。
長ネギがお肉とよく合う![食楽web]
そして、ターローメンとこのチャーハンを両方注文することにより、チャーハンに“ターロー餡”をかけながら食べる、という非常に贅沢な食べ方が可能になります。これが最高に美味しい。
ターローメンの餡をチャーハンにかけてみて!
というわけで、『新珍味』では、看板メニュー「ターローメン」と、裏人気メニューの「肉盛りチャーハン」をぜひ一緒に味わってみてください。量が多いと思う人は「半ターローメン」にすれば問題なく食べられると思います。ぜひお試しを。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:新珍味
住:東京都豊島区西池袋1-23-4
TEL:03-3985-0734
営:11:30〜23:00(金土〜23:30、日祝〜22:00)
休:無休